【妊婦さんの基礎知識連載】#9 妊娠後期 8ヶ月 「カラダの不調」を乗り越える5つのポイント
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いよいよ出産に近づく妊娠後期のスタート、妊娠8ヶ月(28週)です。妊婦健診が2週間に1度のペースになったり、入院の準備を始めたりと、赤ちゃんに会えるまであと少しです。
しかし、出産への不安が募ったり、妊娠初期や中期とは違う体調の変化が始まります。
お腹も大きくなり、苦しさを感じたり、せっかく終わったつわりがまた始まる人もいます(後期つわり)。
このような時期を、快適に過ごすために気をつけるべきことをご紹介します。
■妊娠8ヶ月の特徴妊娠8ヶ月の赤ちゃんは、五感の発達や瞬きができるようになり、臓器も完成します。また、脳のしわができることで記憶も始まります。
ママの子宮底はみぞおちのあたりまで高くなり、胃や食道を圧迫し、胃もたれや胸焼けなどの「後期つわり」の症状が出始めることがあります。
そして、羊水量が最大になることでお腹が前にせり出し始めます。また、おりものの量が増えたり、お腹の張りやすくなる、むくみが起きるなどの体の変化も起きます。
筆者の妊娠8ヶ月は、後期つわりで大変な上に貧血もひどく、血圧は上が60台になりました。
しかし、2子目のときには軽い貧血のみでした。
症状は人それぞれですが、体調が良くても入院や早産(お腹の張り)にならないように気を付けて過ごしてください。
■妊娠8ヶ月に起こること・その対処法
(1)動悸・息切れ
子宮が急激に大きくなり、臓器が上に押しあげられ、血流が多くなるので心臓も今まで以上にフル活動。
それが、動悸や息切れの原因です。一所懸命動いている心臓に負担をかけないため、ゆっくり動きます。
階段の利用で息切れがする場合は、エレベーターを使ってみてください。ひどい場合は、横になって休むことが1番です。
左を下にし血管を圧迫しにくい姿勢“シムスの体位”で心臓の負担も減らすことができます。
(2)お腹の張り
出産が近くなってくると、分娩のときに備えて子宮も準備運動を始めます。
妊娠8ヶ月は、その準備運動が増してきて今まで以上に張る回数も増えていきます。お腹がパーンと硬くなる状態です。
しかし、まだ、出産には早いので、張ったら安静にします。
もし、横になっても張りが収まらない場合や1時間に3回以上の張りがあるときは病院に相談してみましょう。
(3)胃の不快感
胃が圧迫されることにより、胃液が食道に逆流して胃粘膜を荒らします。
その結果、吐き気や胸やけ、げっぷ、胃痛、消化不良などの症状が出ます。
消化のよい物を食べる、少量ずつ食べる、食後は横にならないなど工夫をして過ごしましょう。
(4)貧血
赤ちゃんに栄養を送るために血流が必要となり、妊婦さんの約30%がなる貧血。
また、出産時の出血に備え大量の血が作られますが、赤血球は少なく、血液が薄い状態になるからとも言われています。
食事や飲み物で鉄分補給を行い、それでも良くならない場合は、鉄剤を処方してもらえるか相談相談してみましょう。
(5)妊娠高血圧症候群
妊娠8ヶ月以降に発症することが多い“妊娠高血圧症”は重症になるまで自覚症状がないことが多いです。
症状は頭痛、めまい、倦怠感、むくみなどです。
体調がよくても、塩分に気をつけてバランスのよい食事を摂る、睡眠不足や運動不足にならないようにする、ストレスをためないなどを心がけます。
その他、鼻血が出やすくなる、痔になる、腰痛や肩こり、むくみなど、今までになかった体の不調が増します。その中でも、腹痛、不正出血がある場合は、病院に相談をしてください。
残りの妊娠生活、キツイ服や苦手なもの、辛いことはできるだけ避け、楽しく過ごしてください。
【画像・画像】
※ 竹内正人(2011) 『マイマタニティーダイアリー』(海竜社)
※ 杉本充弘(2014)「最新月数ごとに「見てわかる!」妊娠・出産新百科 妊娠初期から産後1カ月までこれ1冊でOK!」(ベネッセコーポレーション)
※ Pressmaster, g-stockstudio / shutterstock
【著者略歴】
※ 山田みき ・・・ 1歳と3歳の女の子ママ。エステティシャン・美容師。自身のアトピー・アレルギーを機に美容を学ぶ。NHKにてエステ指導や雑誌掲載多数。