奨学金が返せないとどうなる? 対処法は? 弁護士に聞いた!

奨学金と一口に言っても、日本で多くの人が利用するのは給付型ではなく、返済義務のある貸与型のもの。近年では奨学金の返済に苦労している人が多いとの報道があります。返済に窮してしまったらどのようにすればいいのでしょうか!? 奨学金の返済について弁護士さんに取材しました。
アディーレ法律事務所の大西祐生弁護士にお話を伺いました。
■まずはJASSOに相談すること! 奨学金以外の返済がある人が多い!
――奨学金の返済に困っている人が多い、という報道がよくありますが、実際に返済できない事態になったらどのように動くべきでしょうか?
大西弁護士 『独立行政法人 日本学生支援機構』(JASSO、以下JASSOと表記)から奨学金を借りている人が多いと思いますが、個人で動くのであればまずJASSOに相談することです。支払いの一時停止、分割回数を多くする、などの対応をお願いすることは可能です。実際、JASSOさんでも柔軟に対応してくれると思います。一部金融機関のような厳しい取り立てを行うのではなく、総合的な和解案の合意、またその実施について相談に乗ってもらえる余地がありますので、まずは相談することです。
――奨学金の返済について弁護士に相談する人は増えているのでしょうか? 相談の内容はどのようなものでしょうか?
大西弁護士 近年ニュースで奨学金のみで破産した、などと取り上げられることもありますが、奨学金の返済に関する相談者が急に増加しているという感じはありません。また、奨学金の返済だけに困っているという人はほとんどいらっしゃいません。他にも借金の返済があって、奨学金の返済もその一つという、多重債務を抱えている人が多いのです。
――なるほど。奨学金の返済は多くの借金返済の一つというケースが多いのですね。
大西弁護士 ですので、多重債務をどのように処理するかという計画の中で、奨学金の返済について扱うケースがほとんどです。多重債務者の場合、「個人破産」というのも一つの選択肢に入ってきます。しかし、個人破産というのは外聞も悪いと敬遠する人も少なくありません。ですので、破産手続が相当ではない場合は、まずJASSOさんに掛け合って支払いの一時猶予、また支払い回数は増えますけれども月々の返済金額を低くしてもらえるよう交渉することになります。
――先生が手掛けられた中で、月々の支払金額をこのくらいに軽減されたというケースはありますか?
大西弁護士 私の手掛けた中では、最大で月々の支払額を8,000-9,000円に軽減してもらったケースがありました。JASSOさんへの月々の支払額は、もともとそれほど高額ではないですが(金利が低いローンなこともあり)、約定の支払額より軽減することに合意してもらえる可能性がありますし、やはり本当に困っているのであれば相談することが大事です。
■自分の支出がどうなっているかを確認!
――現在、奨学金の返済で困っている人にアドバイスをお願いいたします。
大西弁護士 実際に相談にいらっしゃる方には、まず支出の見直しをお願いします。実際、相談に来られた方の家計収支を見せていただくと、ご自身の家計状況を把握せずに、不必要な支出がある人が多いです。まずはそこをカットして返済に充てることを考えましょう。
生きていくのに必要な支出は仕方がないですが、それ以外はカットするという気持ちが必要です。病気で働けないといった、どうしても返済できない状況にあるのであれば、一時支払いを猶予してほしいとJASSOさんに交渉する必要があります。
多重債務を抱えていて破産手続も視野に入れた方が良いというケースもありますので、早めに弁護士にご相談をいただけたらと思います。
――ありがとうございました。
現在奨学金の返済に困っている人は、まず自分の収支バランスについて見直すことが第一とのこと。その上で、自分ではどうしようもなく、またJASSOさんに自分では交渉できないという人は、弁護士さんに相談するのが良いのではないでしょうか。
⇒アディーレ法律事務所
http://www.adire.jp/
大西祐生弁護士 プロフィール

大西 祐生(おおにし ゆうき)
弁護士(東京弁護士会所属)。同志社大学法学部卒業、九州大学法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。熱血弁護士として『ハンゲキ!』(フジテレビ)など様々なメディアに出演中。
(高橋モータース@dcp)