衝撃の事実が判明!初潮はじまった年齢で「その人の寿命」がわかる
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寿命
女性にとって、生理の期間は憂うつなもの。
女性労働協会が2004年に公表した「働く女性の健康に関する調査」によれば、薬を服用するほど「ひどい」「かなりひどい」と答えた女性の合計が28.6%と、全体の約3割を占めます。
8月22日に閉幕したリオデジャネイロ五輪では、中国の競泳選手が試合後のインタビュー時に月経痛にこらえきれずしゃがみ込み、「よいパフォーマンスができなかった」と謝罪したことに世界中から同情の声が集まりました。
このつらさ、女性ならば誰もが共感できるものでしょう。月経前症候群(PMS)も含め、毎月やってくるこの数日間に心身さまざまな面で制約を感じている女性も少なくないはず。
ところで最新の研究により、厄介者扱いされがちな月経と寿命との意外な関係が明らかになりました。
■初潮が遅かった女性は長生きする
いま、初潮年齢がその人の寿命を予言するかもしれないというショッキングな研究結果が注目を集めています。
これは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らが、アメリカの大規模臨床研究「女性の健康イニシアチブ(WHI)」による16,000人の閉経後の女性たちのデータを使って分析し、明らかになったもの。
いわゆる遅咲き、つまり初潮を迎えたのが遅かった女性ほど、長生きの傾向にあるというのです。
具体的には、12歳かそれ以上の年齢で初潮を迎えた女性は、それ以前に生理がはじまった人々よりも90歳の誕生日を迎えられる可能性が高かった、というもの。
さらには、更年期のはじまりと寿命との間にもなんらかの関連があることが判明。
50歳以上で閉経し更年期を迎えた女性は、もっと若い年齢で閉経した人にくらべて90歳に達する確率が高かった、というのです。
■喫煙習慣の有無が長生きに関係?
こうした、寿命と初潮・閉経時期との間にどんな因果関係があるのかは、いまのところ明らかになっていません。
しかし、手がかりはあります。
このデータでは、閉経が遅く更年期のはじまりが遅かった人々は、総じて喫煙を好まず、糖尿病になることも少なかったというのです。
こうした人々は心血管疾患などの発症も少なく、全体的に健康であることも明らかになっています。
これについて主任研究員のシャドゥアブ氏は、まだ仮説の段階だと前置きしつつ「閉経が遅い女性は、循環器に関するリスクも低い傾向にある。喫煙習慣は循環器や卵巣によくない影響を与えるため、それが更年期を早める一因になっているのではないか」と説明しています。
喫煙が肺などの循環器に悪影響を及ぼすことがあるとは広く知られていますが、卵巣にも影響を与えているとは驚きです。
日本のケースはというと、前述の「働く女性の健康に関する実態調査」によれば閉経時年齢は50~55歳未満が51.5%でほぼ半数。45~50歳未満が31.9%、40~45歳未満が8.8%と続きます。
対して、喫煙習慣があると答えた女性は13.4%。喫煙だけが閉経年齢と寿命を関連づける要因とはいえませんが、研究結果をみると、なんらかの関連はありそうです。
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煩わしく感じがちですが、そもそも月経は女性が子どもを産める状態であることの証明。その月経とのつき合いが長く続くことが健康と長寿のサインだとすれば、印象も少し違ってきませんか?
ことし3月には、日本で初めて医薬品医療機器等法に基づいた月経カップが発売されました。
月経カップは、ナプキンともタンポンとも異なる“第3の生理用品”。カップ型のシリコン製容器を膣内に直接挿入し、経血を溜める仕組みです。
欧米では50年ほど前から使われていて、ことし日本で発売された「スクーンカップ」は、日本人を含む数百人かの女性にヒアリングとユーザーテストを行い、3年かけて完成したものだそう。
人類誕生以来、女性が脈々と向き合ってきたのが、月経という現象。さまざまなアイテムも活用して、前向きにつきあっていきたいものです。
(文/大熊猫)
【参考】
※Turns out your period reveals something pretty interesting about your lifespan-METRO