世界のベストセラーを作った「日本マンガ史」解体“深”書!(1)世界売り上げ占有率は92% (2/2ページ)

アサ芸プラス

 この20~30年、世界の漫画市場は日本勢に押され、どこの国でも日本漫画が市場を圧倒してきた。どうしてだろうか。早い話、それは日本の漫画が面白いからだ。

 漫画は「絵」「ストーリー」「キャラクター」「構成力」の4つの要素で決まるとされる。キャラクターが確立し、物語が魅力的で、絵が巧ければヒット作が生まれると考えがちだが、実は構成力がより重要なのだ。

 日本の漫画が世界の漫画と異なっている点があるとすれば、その「構成力」と「擬声語の多さ」が挙げられる。私が大学の授業でこう解説すると、「構成力って何ですか」「擬声語の数なんて世界中同じでしょう」と、生徒からの質問やら反論でにぎやかになる。

 構成力とは「間(ま)」や「引き」という言葉で表される技法で、これは古典絵本や紙芝居にも見られる日本的な見せ方。落語にも通じるところがある。

志波秀宇(しば・ひでたか)<漫画 研究家>:昭和20年東京生まれ。早大政経学部卒。元小学館コミックス編集室室長。元名古屋造形大学客員教授。小学館入社後、コミック誌、学年誌などで水木しげる、手塚治虫、横山光輝、川崎のぼるなどを担当。先頃、日本漫画解説の著書「まんが★漫画★MANGA」(三一書房)を出版した。

「世界のベストセラーを作った「日本マンガ史」解体“深”書!(1)世界売り上げ占有率は92%」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 9/1号ドラゴンボールNARUTOONE PIECE漫画カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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