北朝鮮幹部らの間でささやかれる「金正恩はニセモノ」説 (2/2ページ)
金慶喜死亡説については、北朝鮮当局もナーバスになっており、国家安全保衛部(秘密警察)は、「金氏一家の家系について論じる者は厳罰に処す」との布告を出した。噂はとりあえず収まったが、裏では相変わらず死亡説、重病説、はては毒殺説まで囁かれているという。
こうしたことから、「白頭の血統は、金慶喜氏の代で潰えた」という話まで出回るようになった。さらに、金正恩氏の実母が高ヨンヒ氏であることも「ニセモノ説」のきっかけの一つだ。
正恩氏の母は大阪出身元朝鮮労働党の幹部で韓国在住のある脱北者は、金慶喜氏が処刑されたという前提に立って、次のように語る。
「もし、金正恩が金慶喜を処刑したことが明らかになれば、白頭血統の根絶やしにしたとして、自身と妹の金与正(キム・ヨジョン)は無事では済まないだろう。だから明らかにできずにいるのだ」
「金正恩の母親が大阪出身で在日同胞の高ヨンヒであることが一般住民にも知れ渡れば、『白頭血統の継承者』であるという肩書を失いかねない」
ある脱北者は、「正恩氏は、白頭の血統ではなく『富士山血統』だ」と揶揄する。金正恩氏が、白頭の血統の継承者を強調すればするほど、在日朝鮮人である高ヨンヒ氏が実母であることが、アキレス腱となりかねない。
しかし、今時、血統を理由に世襲政治を正当化し、その面子を守るために残忍な処刑まですることがあっていいのだろうか。北朝鮮の支配層も、口では言わないものの、きっと同様の疑問を持ちながら、心のなかに反発心をもっているだろう。こうした面従腹背があるからこそ、正恩氏の沽券に関わる極秘情報のリークも後を絶たないのかもしれない。