北朝鮮幹部らの間でささやかれる「金正恩はニセモノ」説 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮幹部らの間でささやかれる「金正恩はニセモノ」説

北朝鮮で奇妙な話が出回っているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中央機関の幹部たちの間では、次のような認識が広がりつつある。

「金正恩氏はニセモノだ」

ここで言う「ニセモノ」とは、巷で言われる「影武者説」や「本人死亡説」などのガセ情報とはニュアンスが違うが、金正恩党委員長の権威は、よほど軽く見られているのかもしれない。

処刑直前の動画

北朝鮮は、祖父・金日成氏からはじまって、正日氏、そして正恩氏と70年にわたって、金一家が支配。国家的には社会主義と謳っているが、事実上の王朝体制だ。そして、世襲体制を正当化するため、金日成を始祖とする血統を、「白頭の血統」と呼びながら重んじる。

この白頭の血統に刃向かえば無論のこと、面子を汚したという理由だけで、処刑されるケースもある。例えば、正恩氏は昨年5月、大同江スッポン工場(現在は、平壌スッポン工場に改称)を視察した際、激怒し支配人を銃殺させた。そして、わざわざ処刑前の動画まで公開してさらし者にした。理由は、偉大なる将軍様の業績を食いつぶした、すなわち金正日氏の顔に泥を塗ったからだった。

北朝鮮メディアも頻繁に「白頭山の純粋な血統を守り抜く」と主張する。それにも拘らず「金正恩ニセモノ説」。実は、説は、「果たして、金正恩氏は白頭の血統の後継者としてふさわしい人物なのか」という疑問である。

金慶喜氏処刑説も

噂が広まるきっかけは、2013年の張成沢(チャン・ソンテク)粛清事件だ。張氏は、正恩氏と血のつながりはないが、彼の妻であり正恩氏の叔母にあたるのが、金慶喜(キム・ギョンヒ)氏。彼女は、金日成氏の実娘であり、先述の白頭の血統では序列ナンバー1といえる人物だ。

彼女の消息は、張氏が処刑されて以後、一切不明になる。このことから、「金正恩氏は叔母ですら処刑した」という噂がまことしやかに伝わっているのだ。ちなみに、韓国の国家情報院は今年7月、金慶喜氏について「夫の張成沢氏処刑後にアルコール中毒になり、平壌郊外で療養中」との情報を発表しているが、北朝鮮では「死亡説」が収まっていない。

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