切手の半分ほどのカケラが、水不足の救世主になるかも!? (2/2ページ)

FUTURUS

source:https://www6.slac.stanford.edu/news/2016-08-15-slac-stanford-gadget-grabs-more-solar-energy-disinfect-water-faster.aspx


■ 二硫化モリブデンのナノ構造体が見せる働き

通常、二硫化モリブデンといえば工業用の潤滑油の一種として使われるが、ほかの多くの物質もそうであるように、ほんのわずかな原子の厚さの層となったときには、通常の特性とはまったく異なる特性を示す。

この場合、二硫化モリブデンは光触媒として働く。光が当たると、二硫化モリブデンが持っていた電子は通常の場所を離れる。そして、それらの電子と電子が入っていた穴は、化学反応を促進させる働きをするのだ。

source:https://www6.slac.stanford.edu/news/2016-08-15-slac-stanford-gadget-grabs-more-solar-energy-disinfect-water-faster.aspx

二硫化モリブデンの壁を適度な厚さに形成することで、このデバイスは可視光線のほぼすべてを吸収することが可能になった。そして、薄い銅(これもまた触媒の働きをする)の上にその壁を作ることで、目指していた特性どおりの働きを持たせることに成功した。それは過酸化水素のような反応性の酸素化合物を作り出すという働きである。過酸化水素は、周囲の水を殺菌する働きをする。

また、二硫化モリブデンは安価で製造も用意だ。これは開発途上国で広く使うデバイスを作る際には非常に重要な要素である。それでいて、二硫化モリブデンは従来の光触媒と比べると広い波長の太陽光を吸収することができる。

この手法も万能ではない。たとえば、化学的に汚染された水を浄化できるわけではない。また、現時点では研究室内の1オンスに満たない水の中で、3種類のバクテリアで試しただけだ。自然界の複雑な汚染水で試したわけではない。

それでも、水の浄化技術にとっては大きな進歩だといえるだろう。今後世界的に水資源の不足が心配されているが、そのなかで安全な飲み水の確保に貢献してほしい研究だ。

【参考・画像】

※ SLAC National Accelerator Laboratory

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