【テキトー母さん流☆子育てのツボ!】#39 毎日同じ絵本を読まされて、うんざりしてしまいます
「1人でできる子になる『テキトー母さん流』子育てのコツ」の著者の立石美津子が、ママ達の育児の素朴な疑問に応えるQ&A連載、【テキトー母さん流☆子育てのツボ!】をお伝えします。
第38回は「子どもが失敗するのはわかるのでつい手や口を出してしまいます」の疑問にお応えしましたが、第39回のテーマはこちら。
■うんざりなのはわかりますが…子どもって飽きもせず同じ遊びを繰り返します。
赤ちゃんの頃は「いないいないばあ~」と何度やっても喜びます。
次の何が出てくるかわかっていても、まるで笑う準備をしているような顔つきをしています。
子どもは“繰り返し”が大好きな生き物なんです。
ですから、絵本も毎日同じものを持ってきて、そして同じページで同じリアクションをして驚いたり笑ったりします。
これに対して大人は真逆、同じことを繰り返すのは苦手です。
1度聞いた講演会に何度も足を運ぼうとは思いませんし、1度読んだ本は試験勉強などの必要性に迫られることがない限りは開くことはありません。
だから、子どもに同じ絵本を読んでやることがしんどくなってしまうんです。
■子どもに人気の繰り返しが多い絵本
「大きなカブ」「桃太郎」など子どもに人気がある絵本は繰り返しが多いです。
たとえば「桃太郎」では、
<「桃太郎さん、桃太郎さん一体どちらにお出かけですか」
「鬼が島に鬼退治に」
「お腰に付けたのは何ですか」
「日本一のきび団子」
「一つください。お供します」
こうして桃太郎は犬を連れて鬼が島へと向かいました……。>
こんな文章が、犬、猿、キジと3回続きます。
筆者も何度もリクエストされるため、読み聞かせがおっくうになりました。
そこで、こんな風に読んでみました。
同じ個所はカットして、「キジはさっきの犬や猿と同じことを言いました……」
大きなカブも同じです。
登場するキャラクターが、お爺さん、お婆さん、孫娘、犬、ネズミ……と変わるだけで、文章はほぼ一緒。
めんどうくさくなったので、こう省略しました。
「畑にカブがありました。なかなか抜けませんでしたが、最後にネズミがやってきて手伝ったらとうとう抜けました。ちっぽけな者の力でも役に立つのですね!」
教訓をからめて要約して終了!
子どもは不満たらたらで、「ちゃんと読んで!」と怒りました。
■子どもは同じ言葉を聞いて母国語を増やしている子どもは同じ文章を繰り返し読んでもらうことで、その言葉を母国語として吸収しています。
「突然、犬が出てきてびっくりしちゃった」という言い回しをする子は、「突然、鬼が出てきました(大工と鬼六の話)」を繰り返し読んでもらっていた経験があるのです。
寒い冬の日、「手がかじかんでしまった」とお喋りできる子どもは、「マッチ売りの少女」を何度も読んでもらっていたりします。
1回だけしか触れていないと母国語にはならないですよね。
意識していなければ、家庭内で飛び交うのは「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「きちんんとしなさい」などの貧弱なシンプルセンテンス だけです。
機関銃のように毎日怒っているママは、「絵本の表現豊かな文章が、自分の足りない言葉の部分をカバーしてくれているんだわ」と思い、辛抱して、トコトン付き合ってあげてくださいね。
【参考】
※ まつい ただし(1965)『ももたろう (日本傑作絵本シリーズ)』(福音館書店)