24時間テレビ批判で絶賛されたNHKに「おまえが言うな」の声 (2/2ページ)
■NHKは<同情ポルノ>?
そのNHKの放送で、いまだに続く大騒ぎの原因となっているのが『ニュース7』が報じた<貧困女子高生>問題。
貧困でクーラーもパソコンも無い、進学も出来ないと主張する女子高生が出演したが、彼女の机上に奢侈な物品が置かれていたり、趣味に散財していたこと等が判明し、いまも「捏造、ヤラセだ!」「ぜんぜん貧困じゃない」という批判が消えていない。国会議員の片山さつき氏(57)まで参戦して、「NHKに説明を求める」といきり立ったのも周知の通り。
言うまでもなく、この女子高生個人を叩くのは意味が無い。多少、大げさな表現があったとしても高校生のやったことだ。クーラーが有った・無かったを云々して抗議合戦をしているのも下らない。NHKが貧困問題の現実を報道したいのならば、どんな意図で彼女を起用したのかが問われるポイントだ。
「本件を貧困の典型例として取り上げたのではなく、経済的理由で進学を諦めなくてはいけないということを、女子高生本人が実名と顔を出して語ったことが伝えたかった」
これが片山議員に対するNHKからの返答。貧困の典型例ならば報道する意味はあると思うが、NHK自ら「女子高生」が「顔出し」で出演したことが主眼と言ってしまった。問題を提示し、解決の糸口を探る狙いではなく、「ほら若い女の子なのに悲惨でしょ」と見せ物化、ショー化しているわけだ。
『24時間テレビ』が<感動ポルノ>と批判されるのなら、NHKの貧困女子高生報道は<同情ポルノ>である。
今度は日本テレビが、NHKの貧困ショーを揶揄する番組を作ったら?
(注1)オリエンタルラジオ…再ブレイク中も中田が問題発言を連発!?
(注2)バリバラ…何回目かの放送。
(注3) 大絶賛の声…主にネットで。
(注4)チャリティ番組…「出演者にギャラ出てる」「なぜマラソンはいつもギリギリ着」なども、毎年恒例で浴びる批判。
著者プロフィール
コンテンツプロデューサー
田中ねぃ
東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ