驚愕の新事実!アメリカで「10代の妊娠率」が減少している理由
- タグ:
-
妊娠
「妊娠はおめでたいこと。でも、10代の妊娠は大変なこと」
これは日本に限らず、先進国のどこでも同じことのようです。
10代の妊娠率が10,00人中52.1人(2013年)と、ダントツで世界一高いアメリカでも頭を悩ませていることには変わりありません。
しかし、そのアメリカでここ最近10代の妊娠が減少しているとのこと。
理由は、驚くほどシンプルなものだったとか。一体、何があったのでしょうか。
■性行為の頻度は変化せずに10代の妊娠が減少
国民皆保険制度のないアメリカは、いまだに健康保険がない人も多く、医療・保険分野で、様々な問題を抱えています。
オバマ政権で、医療保険制度改革が混乱したことも有名です。
しかし、その医療分野で確実によくなったことがあります。それは10代の出生率が減少したこと。2007~2013年で、なんと36%も減少したのだそうです。
何が起きたのかと思いますが、理由は驚くほどシンプル。10代のカップルが、より頻繁により上手に避妊をするようになったからだそうです。
10代の性行動に何か変化があったのかと、まずは考えてしまいますね。
でもニューヨークのガットマッチャー研究所などによる「思春期の直近3ヶ月の性行為の研究」によると、2007~2012年の10代の性行為の頻度はほとんど変化していないそうです。
つまり、妊娠に至る前提部分のひとつは、変わっていない状況。
とすると、もうひとつの前提の避妊にしか理由はありません。
同研究の避妊に関するアンケートによると、回答者の10代の86%が少なくとも1種類の避妊方法を実施し、また37%が2つ以上の避妊方法を併用していると回答しています。
避妊をする回数が増えただけでなく、複数の避妊方法を組み合わせて、効果的な避妊を行うようになっているのだそうです。
また、避妊方法では、今までと変わらずピルとコンドームが大多数を占めていますが、IUD(子宮内避妊器具)の使用が2009年の38%から2012年の51%に上昇しています。
100%完璧な避妊方法がない現在、複数の方法を組み合わせることは妊娠を避けることに大きく貢献します。とても賢明な選択ですね。
前述の「思春期の直近3か月の性行為の研究」によると、アメリカ50州すべてで、あらゆる人種・民族で、ローティーンもハイティーンも出生率が減少しているのだそうです。
しかも、中絶も少しずつではあるのですが、減少しているのだとか。
10代の妊娠の減少の理由はあまりにシンプルでしたが、もうひとつの疑問が残ります。なぜ10代のカップルが、より頻繁により効果的な避妊をするようになったのでしょうか。
■安価に避妊ができるようになって妊娠率が低下
その答えには、ごく一例ですが、コロラド州の取り組みが挙げられます。
コロラド州は2015年に、10代向けに長期間、無料で避妊方法を提供するプログラムを推進しました。結果は大成功で、10代の妊娠率が40%下落したのだそうです。
避妊がより安価に、そしてより簡単にできるならば、みんなちゃんと避妊するということが明らかになったというわけですね。
これもシンプルですが、なかなか実現が難しいかもしれません。
というのも、進歩的なイメージがあるアメリカでも、学校での性教育はかなり保守的です。基本的には「禁欲を要求するのみの性教育」がほとんどなのだそうです。
確かに、コロラド州の取り組みには「10代の性行為を奨励するのか」と思う人がいるかもしれません。
しかし、この取り組みで10代の望まない妊娠が激減したことは確かです。
2016年9月現在、避妊についての具体的な情報を盛り込んだ性教育を実施しているのは、50州中18の州とワシントンDCのみで、意外に少ないのが分かります。
ということは、さらにまだ改善の余地がありそうですね。
ちなみに2006年のアメリカ政府の調査によると、禁欲を要求するのみ性教育を受けた10代は避妊をしない傾向があり、結果的に望まない妊娠や性感染症に陥るケースが多いそうです。
せっかく教育をしているのであれば、やはり効果的であってほしいですよね。
そのため、今年の初めにオバマ大統領は、禁欲を要求するのみの性教育への2017年度の政府補助金を削減することを提案しています。
また、オバマ大統領は別途に、「10代の妊娠を避けるプログラム」を主導して、400万ドルの予算を補助金として配分する計画です。
2つの施策が相まってどのような効果をあげるかは未知数ですが、10代の出生率が36%減少したことで良しとするつもりはないようですね。
*
厚生労働省の統計によると、日本でも2003年を境に10代の中絶件数は減少しているそうです。
10代の妊娠・出産には大きな負担が伴います。育て上げる道筋と意志がないならば、事前に複数の避妊をすることが望ましいですね。そして、そのための教育の充実も同じく望ましいことと言えるでしょう。
(文/粟飯原由布子)
【参考】
※Teen Pregnancy Is Down, and There Is a Simple Reason-Glamour
※The teen pregnancy rate has dropped 25% in recent years. Here’s why.-Upworthy