ジョコビッチが今大会3度目の対戦相手棄権で準決勝へ [全米オープン] (2/2ページ)
しかしそんな観客の願いをよそに、第6ゲームでツォンガは3つもダブルフォールトをおかしてブレークを許す。すぐにブレークバックしたのはよかったが、第8ゲームでふたたびジョコビッチがブレーク。6-3で第1セットを奪い、第2セットもジョコビッチのペースで進む。
5-2となり、勝負の行方はもう決定的な展開の中で、ツォンガのもとへトレーナーがやって来てスタジアムの雰囲気はさらに曇る。このセットもジョコビッチが6-2で奪い、ツォンガは第3セットの1ポイント目でダブルフォールトをしたところで棄権を申し出た。
膝のケガは右も左も過去に何度も経験しており、その痛みが何を意味するのか、ツォンガ自身がよくわかっているという。
「膝がダメな状態では、ジョコビッチ相手に2セットダウンから挽回することは不可能」
それは当然の決断だった。
これで今大会、ジョコビッチの対戦相手が試合前あるいは途中で棄権するのは3度目。5試合すべてストレート勝ちでも15セット戦わなくてはならないところを、ジョコビッチは10セットしかプレーしていない。
「こんなグランドスラムは僕も経験したことがない。でも大会が進むにつれて、調子は上がってきている」
リオ五輪で痛めた手首の容態が心配された今大会。それを思えば、運は完全にジョコビッチに向いている。2セットを見た限り、ツォンガのコンディションが万全でなかったとしても、ジョコビッチのギアはほぼトップの状態だった。
準決勝の相手は、2008年の全仏オープン以来のグランドスラム・ベスト4入りを果たしたモンフィス。「才能をもっとも生かせていない選手」と言われ続けてきたモンフィスの逆襲は脅威だ。しかし、それを封じるだけの経験を王者は持ち、実践する体力を温存できている。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)