真実は隠されている?中国人が語る”日本メディア”の情報隠蔽 (2/2ページ)
■韓国側には安保法案改正に賛成している声もある
他にも中共機関メディアの『鳳凰衛視』(フェニックステレビ)が、韓国の政治学者・金珍鎬に日本の安保法案改正についての見解を求めたところ、金氏は「韓国には安保法案改正に反対する層も多いが、賛成する層も多い」、「安保改正は日米韓同盟に対し有効な手段となる」、「韓国より日本の方が、反対派が多い」と答えたそうです。
金氏のいう通り、安保法案改正による集団的自衛権は日本の防衛力を大きく高める法案です。日本・アメリカ・韓国三ヶ国による軍事同盟の構築を中国側は強く警戒しているため、韓国側の見解を客観的に報道したのでしょう。
一方、日本の大半のメディアは「韓国側は安保法案改正に反対している」と一面的な報道を行っていますが、冷静に考えてみると北朝鮮など周辺諸国の脅威にさらされている韓国にとって、強力な軍事支援が見込める集団的自衛権は好都合な法案なのです。僕は日本のメディアは韓国の反対意見のみを紹介するのではなく、国防的な観点から重要なパートナーになるかもしれないという事実を報道するべきだと思います。
中国のことわざに「自分だけでは気がつかないこともある」という意味の「鶏は自分の背中を知らない」というものがあります。情報とは相対的なもので報道する立場によって大きく変わるものです。僕は日本のみなさんには国内だけではなく、欧米や香港・台湾、あるいは中国や韓国など世界中のメディア情報を知り、幅広い視野を持つことをおすすめします。
著者プロフィール
漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。
(構成/亀谷哲弘)