「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(1)「鬼龍院花子の生涯」脚本家・高田宏治インタビュー (2/2ページ)

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そもそも、これは「新仁義なき戦い」の4作目として予定されたけど、菅原文太が「もう『仁義』はいいよ」と。それで松方に代わった。

──さらにクランクイン直後、渡瀬恒彦がジープ転倒で生死のふちをさまよう大事故もありました。

高田 それで伊吹吾郎に交代。不思議な運命の映画やったね。

──再び宮尾登美子原作に戻りますが、女の戦いを打ち出した映画が多いゆえに、キャスティングの難航は多そうですね。

高田 池上季実子が評判になった「陽暉楼」(83年、映)も、僕と日下部五朗プロデューサーは秋吉久美子に交渉していた。ところが、いろいろ注文をつけるので、こっちがシビレを切らして「やめようや」と。それから「藏」(95年、東映)も、烈という少女の役が宮沢りえから一色紗英に代わった。

──すでにキャストの発表もあっただけに、宮沢りえの降板は騒動になりました。

高田 本来は2番手だった義理の母役の浅野ゆう子が、トップじゃないとイヤだと言い出した。そうなると宮沢サイドが「話が違う」と怒るのはしゃあないな。

──会見で浅野は「順列はあいうえお順かと思った」ととぼけていましたが、女優ならではのしたたかな物言いですね。

高田 残念だったのは米倉涼子が「茶々 天涯の貴妃」(07年、東映)の主演を降りて、宝塚出身の和央ようかに代わったこと。米倉はドラマの役柄同様、より悪女を演じたかったようで、そこが一致しなかった。

──降りるほうも、代わりに演じるほうも、役者とはプライドの火花を散らすことがよくわかります。

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