モンフィスの戦略失敗、ジョコビッチが奇妙な準決勝に勝つ [全米オープン] (2/3ページ)
「最初の質問は、『君は戦っていないのか?』というようなものだった。ああ、もちろん僕は戦っている」とモンフィスは言った。「僕は『OK、今、プランBに移る』と言うため、コーチにサインを送ったんだ」。
第1セットでジョコビッチはたちまち5-0とリードし、わずか19分後にセットポイントを握ったが、モンフィスはそこでサービスをキープする。5-1となり、ジョコビッチは自分のサービスゲームで40-0とし、さらに3つのセットポイントを握った。それからモンフィスは例の不可解な理由から意図的に負けようとしているかのような振舞いをしたのだが、のちに本人が説明したところによれば、それは攻撃をする気がないふりをしながら相手のベストショットを吸収する、モハメド・アリの『ロープ・ア・ドープ』(ロープにもたれ、相手に効果的パンチを打たせないといった方法)のテニス版だったのだという。
サービスリターンの準備をする際にいつもの身を低くした油断のない構えではなく、モンフィスは注文したエスプレッソ・コーヒーを待っているような何気ない様子でベースラインあたりに立っていた。モンフィスはスライスか、本当に気の入っていない半分スイングするような打ち方でショットを打ち、それからときどき時速160kmのパッシングショットを叩き込んだ。彼は滅多にやったことのないサーブ&ボレーを繰り返し試しさえし、頻繁にミスをおかした。
「変えなければならなかった。ちょっぴり難しかったよ。なぜって、間違いなく見ている人々はそういうものを見る心づもりがなかっただろうから」とモンフィスは言った。「僕は彼の心理の中に入り込み、彼が見たこともない新しい何かを生み出そうとしていたんだ」。
どうしたことか、その戦術はほんの少しの間は効果を発揮したようだ。ジョコビッチは次々にミスやヘマを重ね始め、モンフィスは最終的に今大会で初めてセットを落とす前に3ゲームを連取したのだから。
「完全に奇襲にはまってしまったよ」とジョコビッチはのちに認めた。
モンフィスのプレーについてどう思ったかと聞かれたジョコビッチは、こう答えている。