水草を真似して石油の海洋汚染を解決!? (2/2ページ)
この水生シダは、葉の表面に0.3から2,5mmの長さの糸状の突起を持つ。さまざまな水生シダを比較した結果、糸状突起の形が重要なことがわかった。そして、もっとも石油を吸い取る水生シダは、糸状突起の先端が卵泡立て器のような形をしているものだったという。
source:http://www.kit.edu/kit/english/pi_2016_115_nanofur-for-oil-spill-cleanup.php
研究チームは、この知見をもとに、水生シダの葉の表面の特性を真似したナノ糸状突起をプラスティックを使って作り出した。水を弾き、石油を吸収する性質を持つものだ。
将来的にはこういった素材を使って、すみやかに、しかも二次的な環境汚染を引き起こすことなく、流出した石油の回収ができるようになるかもしれない。
自然界の動植物がが持つユニークな特性を研究すれば、まだまだ人間が知らない事実が発見できそうだ。しかも自然界には多様なサンプルが存在する。いちいちひとが作り出す必要がない。科学者や技術者は、たまに実験室を出て、自然を観察してみるのもいいだろう。
【参考・画像】
※ Nanofur for Oil Spill Cleanup – Karlsruhe Institute of Technology