日本シリーズが最後となる完全燃焼「黒田引退」と「4番新井」 (2/2ページ)
救われた』の思いが強い。その恩返しができたとも考えています。黒田にしても同様で、広島に帰還した理由が『このチームで優勝したいから』。引退も示唆した昨年オフにあえて踏みとどまったのは、後輩投手たちに『生発ローテーションを託された重み、責任感』を、言葉ではなく自らの態度や背中で教えるためでした」(前出・関係者)
リーグ優勝で、投打のベテランは「自らの役目を終えた」と判断している。
「広島が首位に立った直後、選手たちは対戦投手のマークが厳しくなり、それを苦痛に感じていました。でも、新井はエース対戦を楽しんでいたというか…。広島の若手はクライマックスシリーズの最終ステージ、日本シリーズの舞台を経験していません。両ベテランはあの独特の緊張感を乗り切るサポートをしたら、役目を終えたと思うでしょうし、いつまでも、両ベテランに頼っていてはいけないと若手も自覚するはずです」(同)
CS、日本シリーズで、広島は黒田を軸としたローテーションを組むと予想される。メジャー時代、「中4日、100球」の登板間隔で投げていたので、調整は問題ないだろう。緒方監督は「日本シリーズ進出なら、初戦は最多勝(候補)の野村祐輔、第2戦と第7戦は黒田。7戦前に決着が付くようなら、救援も」と考えているそうだ。
緒方監督は優勝に相応しい4番として新井を指名したように、黒田を胴上げ投手に選ぼうとしている。当然、その雄姿が後輩投手にも響くことを願っている。
「広島は'75年に初優勝したときのチームスタイルに回帰していきます。もともと育成のチームでしたが、近年の主力選手は育ててもFAで出て行ってしまうので、首脳陣は育成のピークを何年後に設定すればいいのか分からなくなっていました。今の広島選手はFAでの国内移籍を考えていないので、鈴木のように4、5年後を見据えてじっくり育てることができます。今秋ドラフトから高卒選手の大量指名が見られるかも」(前出・ベテラン記者)
その教育係に苦労人の黒田、新井は相応しい。黒田の男気と「4番・新井」は今季が見納めのようだ。