日本シリーズが最後となる完全燃焼「黒田引退」と「4番新井」 (1/2ページ)
最後の喝を入れる。
広島東洋カープが25年ぶりのリーグ優勝を飾った。その牽引役は投打の両ベテラン、黒田博樹(41)と新井貴浩(39)と言っていい。
「新井はMVPに選ばれる可能性が高い。彼の活躍について聞くと、フロントも毎度お馴染みのフレーズとなった『まさか、ここまでやるとは』の声が返ってきます。シーズン中盤までは親しみを込めた言い方でしたが、最近は本当に尊敬しているというか…」(スポーツ紙記者)
4番・新井、先発・黒田。優勝を決めた9月10日、敵地・東京ドームのスタンドは真っ赤に染まっていた。オールドファンは1975年、リーグ初優勝を決めた舞台が後楽園球場だったことを思い出していた。
「'75年も巨人の本拠地・後楽園で優勝を決めました。敵地にもかかわらず、その日も広島ファンのほうが多かった」(ベテラン記者)
黒田にとっては、プロ生活初の優勝である。自身の登板日が優勝を懸けた大一番になったのは“巡り合わせ”だ。「マジック1」のままでの足踏みがしばらく続いた。しかし、黒田の寡黙に投げ続けた姿は、広島ナインに「最後の喝」を入れたという。
「前日(9月9日)、試合のなかった広島ナインは、遠征先のホテル近くの飲食店で巨人とヤクルトの一戦を見守っていました。グラウンドで勝って胴上げをするのが一番ですが、どんな形でもいいから優勝したいという雰囲気でした。と同時に、翌日の先発が黒田だから勝てる、といった確信のようなものを選手たちは抱いていました」(関係者)
別方面からは、こんな声も聞かれた。
「終盤戦に入り、ベテラン新井を4番に定着させました。緒方孝市監督を始め、首脳陣がエルドレッドの故障後、誰を4番にするかを話し合って新井になったんですが、交流戦でブレイクした4年目の22歳、鈴木誠也を推す声もあったんです。新井に決めたのは、25年ぶりの優勝に相応しい4番は誰かなのかを考えた結果です」(前出・ベテラン記者)
『4番鈴木』は、まだ時期尚早と判断されたわけだ。しかし、「1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩」と続く今年の広島打線に、日本人の、それも生え抜きの新4番が定着すれば、カープは長期政権を築ける。それが今後の課題だ。
「新井は『広島に拾われた。