天才・武豊「“前人未踏”通算4000勝」を彩ったレース秘話!(1)「歩く競馬四季報」と呼ばれ (2/2ページ)
中でもみごとだったのが、イナリワンで挑んだ89年の天皇賞(春)である。
初騎乗にもかかわらず、かかり癖を上手にコントロールし、じっくりと後方から騎乗、その末脚を爆発させた。なんと、3分18秒8のレコード勝ちだった。
小島太が騎乗していた時は持っていかれてしまったのに、そんなことがまったくなかったのはなぜか。レース後、「折り合いだけに専念して乗った」と語った武は、
「他馬と一緒の調教だと興奮する馬でした。だから落ち着かせるために、他馬の調教が終わってから単走で調教騎乗していたんです。レース中もハミがかかりそうになったら抜いてやるなど、うまく制御していました」(厩舎関係者)
この勝利が「平成の盾男」の始まりだった。
兜志郎(競馬ライター)