好きな人の前では瞳孔が開くってホント? 恋愛と瞳の気になる関係
そもそも「瞳」ってどこ?
実は、医学的には目に「瞳」という部分はありません。辞書で調べると、「瞳=瞳孔」と定義していることが多いようです。「つぶらな瞳」「瞳の輝き」などのように、比喩や日常会話の中で「目ヂカラ」「視線」「まなざし」といった意味で使われることが多いのが「瞳」です。
瞳孔は目の真ん中の黒い部分で、人間の目は外側から白目、虹彩(こうさい)、瞳孔となっています。下の写真のように青い目だとわかりやすいでしょう。
人は好きなものを見ると瞳孔が開く!
この瞳孔には、おもしろい性質があります。それが、「好きなものを見ると瞳孔が開く」というものです。
カギになるのは虹彩のはたらきです。虹彩は毛様体という筋肉にくっついていて、そこには瞳孔散大筋と瞳孔括約筋があります。これらの筋肉が動いて瞳孔が大きくなったり小さくなったりするのですが、その流れは次のようになっています。
(1)「暗くなる」または「緊張・興奮する」と……
→交感神経がはたらく→瞳孔散大筋がはたらく→虹彩が縮む→瞳孔が大きくなる(黒目がちになる)
(2)「明るくなる」または「安静にする」と……
→副交感神経がはたらく→瞳孔括約筋がはたらく→虹彩が緩む→瞳孔が小さくなる
つまり、明るさによってだけでなく、好きな人やものを見て興奮(緊張)しても瞳孔は開くというわけですね。
瞳孔の開き方は男女でこんなにちがう!
瞳孔にはもうひとつ、「男女で開く原因がちがう」というおもしろい特徴があります。
ある実験によると、男性たちに(1)ブルース・リー、(2)かわいい子犬、(3)上半身ヌードの女性、という3枚のポスターを見せたところ、すべての男性の瞳孔が(3)上半身ヌードの女性のとき全開になりました。
ところが女性はどの写真を見ても、瞳孔が全開にはならなかったそうです。
このように男性の瞳孔が開く原因として、男性ホルモンの「テストステロン」の影響が挙げられます。テストステロンは、男性的な肉体や精神をつくるとともに攻撃的な性衝動を引き起こすとされます。そのため、女性のヌードを見て瞳孔が開くようです。
一方、女性ホルモンの「エストロゲン」は、性衝動を受動的にするはたらきがあります。そのため男性のヌードを見ても瞳孔は開かなかったと推測できます。
女性の瞳孔が全開になるのは、赤ちゃんを見たときが多いとされています。また、自分の好きな男性が「仕事をしている」「スポーツをしている」「考え事をしている」ときに瞳孔が開く傾向があるようです。

アイコンタクトで相手の好意がわかる?
このように男女のちがいはあるものの、好きな相手の前では開くという瞳孔。ということは、気になる相手が自分のことを好きかどうか、瞳を見ればわかるのでは?と考えますよね。
とはいえ、欧米などと比べて「目を見て話すのが苦手」とされる日本人には、ちょっと難しいかもしれません。まずは自然なアイコンタクトを意識するといいでしょう。
イギリスの科学雑誌『Royal Society Open Science』が500人近くの老若男女におこなった実験によると、好ましいと感じるアイコンタクトの平均時間は3.3秒でした。また、長い時間アイコンタクトをとりたいと感じる人たちの瞳孔は、わずかですが早く開く傾向があったそうです。
つまり、まずは3.3秒を目安にアイコンタクトをとってみて、相手の瞳孔が開いているようなら「あなたに好意がある」、あるいは「もっと見つめてもいい」という合図かもしれません。
「恋に落ちやすい時間帯」は夕暮れどき!?

瞳孔の動きには、もう1つ「恋愛に効く」メリットがあります。
人間は本能的に瞳孔の開きぐあいに好意の有無を感じとるため、相手の瞳孔が大きくなっていると無意識に好意を持たれていると思ってしまいます。
その際に、心理学用語で「好意の返報性」という効果が発揮されます。これは、褒められたり承認されたと感じたりするとそれが転じて相手への好意となる、というもの。要するに、瞳孔の開いた目で見つめられると、なんとなく好意を抱いてしまうというわけです!
これを利用した「好意の返報性」を実行するなら、特に効果的なのが薄暗い場所です。一目惚れが多いのは、少し暗くてムーディーな17時頃からの5~6時間だという説もあります。
ただし、相手の瞳孔は単に暗さによって開いている可能性もあるので、過信は禁物です。
いかがでしたか?
瞳と恋愛感情は、これだけ影響し合っているんですね! 「それでもアイコンタクトは気恥ずかしいよ」という方も、こうした瞳孔の「動き」に集中すれば、恥ずかしさを忘れてトライできるかもしれませんよ。