【プロ野球】《神宮球場・ヤクルト全65試合観戦》神宮球場で目撃! ヤクルトの超個人的名場面はこれだ!! (2/2ページ)
■観客騒然! 神宮・比屋根劇場
8月7日:ヤクルト 7x対6 阪神
6月26日、神宮球場のレフトの守備位置で比屋根渉はやらかしていた。俗に言う“オンドルセクぶちギレ事件”だ。試合には勝ったものの、比屋根の後逸に激昂し、ベンチで悪態をついて暴れたオンドルセクは無期謹慎に。結局、退団・帰国となった。
そして8月7日だ。
比屋根はレフトではなくライトで落球した。この落球で阪神にリードを許し、ヤクルトは劣勢に立たされてしまう。
しかし、この日の比屋根は違った。
あの日の比屋根ではなく“New比屋根”になっていた。
途中出場ながら3打数3安打。一時は勝ち越しとなるタイムリー二塁打を放ち、お立ち台確実の活躍を見せたのだ。
しかし9回、オンドルセクの代わりに守護神となっていた秋吉亮が同点に追いつかれてしまう。
比屋根のお立ち台はなくなったかに思えた。しかし“New比屋根”はやってくれた。延長10回にしっかりとサヨナラタイムリーを放ったのだ。
この日、比屋根は途中出場ながら4打数4安打1失策。さながら神宮球場は“比屋根劇場”と化した。殊勲の比屋根はお立ち台でこう言った。
「自分のミスでこんなに(試合終了時間が)遅くなってすみません」
「ホントだよ!」という突っ込みとともに笑いが沸き起こったのは言うまでもない。
この日は比屋根の出身地である沖縄の旅行会社、沖縄ツーリストのイベントデーでもあったことを付け加えておく。
1年間、球場に足を運び続ければ勝ち負け以外にも多くのできごとに触れることができる。球場に行くからには、多くのこと目に焼きつけを心に留めておきたいものだ。
文=勝田 聡(かつた さとし)