【プロ野球】福原忍(阪神)が引退。~常に「感謝」の気持ちを忘れなかった18年~ (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■“つなぎ役”に徹する

 今までの投げ方では、また同じことを繰り返す。手術を機に、福原は投手として進化していった。

 肩に負担をかけない投球フォームで、ストレートも「質」にこだわり、ボールの回転とキレを磨いた。

 また、ストレート一本での勝負するスタイルから、落差の大きいカーブで緩急をつけ、よりストレートの威力を感じさせる投球術も身につけていった。

 福原の18年間の通算成績は登板数595試合、83勝104敗、29セーブ、118ホールド。主に先発を担ったのが7年、リリーフを担ったのが9年、シーズン途中で配置転換したのが2年、と少しリリーフ歴のほうが長かったくらい。しかし、“味方の援護に恵まれないながらも、先発として奮闘していた”イメージはほとんどない。

「先発の勝ち星を消さないように、抑え投手への“つなぎ”役に徹した」

 福原の選手人生において晩年にあたる2014年、2015年に獲得した最優秀中継ぎ投手が、福原を称えるにふさわしい賞だったともいえる。

■「感謝する人」から「感謝される人」へ

 話は戻って2016年10月1日、甲子園球場。

 福原は引退セレモニーの最後のマウンドで泣いた。

 広陵高の中井監督から授かった「感謝」の気持ちがこみ上げた瞬間であった。チームメートに感謝し、スタンドを埋め尽くしたファンに感謝し、自らを奮い立たせてくれたマウンドに感謝していた。


 振り返れば、これからの阪神を託す藤浪晋太郎や岩貞祐太も泣いていた。また、ともに長年戦ってきた、能見篤史や安藤優也も泣いていた。

 この時のチームメートの涙は、気がつけば、人として野球人として、「感謝される」立場に変わった証だろう。

 決して華々しい野球人生ではなかったかもしれない。

 しかし、福原がチームメートやファンにいつまでも「感謝される」投手であることに間違いはないはずだ。

まろ麻呂
企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。
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