天才テリー伊藤対談「藤竜也」(3)俳優仕事を始めてすぐ深刻になった (2/2ページ)
そういうのと比べると、最初の志から全然、違ったというわけですね。
藤 だから、僕なんかゲスなんですよ。「とりあえず、石原さんのマネをしてりゃいいんだ」って思ってましたから。でも、あるきっかけがあって、そのモヤモヤを吹っ切ることができたんですけど。
テリー それはどういったものですか?
藤 渡(哲也)さんが主演した「野獣を消せ」っていう映画に出た時です。僕はものすごい狂犬みたいな若者の役だったんですけど、それでちょっと演技のやり方の目鼻がついたというか、そういう感覚がありましたね。
テリー 確かに、狂犬的な役ができる役者さんって、それまであまり日活にいなかったですもんね。それこそ渡さんとか、高橋英樹さんには、そういう無軌道なアウトローの方向性は無理じゃないですか。
藤 僕もそうだと思いましたね。それなりに考えて取り組んで、その作品で“野獣”になれたと思います。
テリー 僕は「こういうタイプの役者さんが日活から出てきたんだ」という感じで、藤さんの存在を実に新鮮に感じていましたよ。
藤 あ、当時ご覧になっていただけたんですか?
テリー もちろんですよ、僕はあの頃の日活、大好きでしたから。