天才テリー伊藤対談「藤竜也」(3)俳優仕事を始めてすぐ深刻になった (1/2ページ)
テリー 藤さんのデビューのきっかけは、大学時代に日活にスカウトされたことなんですね。
藤 そうです、日劇(日本劇場)‥‥今の有楽町マリオンの前で、ですね。今思えば、信じられない話ですよね。たぶんそのスカウトマン、老眼で目が悪かったんでしょう(笑)。
テリー いやいや、こんなに男前なんですから、信じられますよ。歩いてたら、声をかけられたんですか?
藤 そうです。その人に「100万、200万なんて、金の単位じゃなくなりますよ」って言われたのがカーンと来ちゃいまして(笑)。「そんな世界があるなら見てみたい」と、つい思っちゃったんですね。あとあと考えてみればフカシもいいところですけどね、そんな言葉(笑)。
テリー 現実はもっと厳しかった、と。
藤 こっちは石原(裕次郎)さんみたいなスターと一緒に片足をどこかに引っ掛けて、タバコを吹かしながら格好いいセリフを言えるもんだと思っていましたからね。でも、実際に行ってみたら大部屋で、毎日通行人の役ばっかりですから。「話が違うじゃないか」と思って。
テリー 気分としては「早く100万くれよ」と。
藤 そうですよ。だけど、やってるうちにだんだんと「ヤバイとこに来ちゃったなあ」と、深刻になってきたわけ。
テリー 最初は夢心地だったけど、ブレイクのきっかけがつかめなくて焦りが出てきたんですね。
藤 ええ、もう大学も辞めちゃってますし、「これは何とかしなくちゃ」と。そこから、どうすれば自分は俳優として、役をもらえるのかなんてことを真面目に考えだしたわけです。
テリー 例えば宍戸錠さんは、昔からずっと映画を観てきて、どういう俳優のポジションが空いているかを考えたうえで、整形手術で頬にシリコンを入れたわけじゃないですか。