ファイナンシャルプランナーに聞いた! 本当は怖い大学の奨学金事情 (2/3ページ)

学生の窓口



前野先生 個人的な意見ですが「奨学金を何に使っているか」が問題なのではないでしょうか。奨学金とはそもそも「学費」やその関連費用に充てることが主な目的であり、自分の自由になるお金ではありません。でも、学生本人の口座に振り込まれますから、借金であるという認識が持ちにくいですね。つい遊興費に使ってしまう……といったことがあると、気付かないうちに、借金で遊ぶことになってしまいます。繰り返しになりますが、返済義務のある奨学金制度を利用している場合には、返さなくてはならないお金であるという点をきちんと認識しておく必要があります。

――JASSOの提供している奨学金制度は低金利ですが。

前野先生 1カ月の返済金額は、多くの場合1万円-1万5,000円といったところでしょう。大卒の初任給が額面20万円ぐらいだとすると、手取りが16万円前後になりますから、家賃の高い東京で暮らしている人にはぎりぎりの生活になるかもしれません。
生活が苦しい場合には、月に1万円近く支払っている携帯電話代を見直すなど、返済のために携帯電話の契約を見直すといったことも有効だと思います。

――家計の相談をする人の中に、奨学金の返済で困っているという人はいますか?

前野先生 負担に感じている方はいらっしゃいますが、みなさんきちんと返済されています。また、奨学金の返済で困っているということではなく、住宅ローンの返済など、家計の中の借入金の一つとして相談されるので、奨学金の返済だけに困っているということはないですね。夫婦で家計の相談に来られて、2人とも奨学金の返済をしている、といったケースもめずらしくはありません。しかし、みなさんがんばって返していらっしゃいますよ。

――奨学金の支給を受けている人にアドバイスをお願いします。


前野先生 返済義務のあるお金であると認識すること、また返済のためのプランをきちんと考えておくことが大切になります。そして、どうしても返済ができない事態になったら、日本学生支援機構に、まず相談することです。
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