急死してしまった親友をどうしても忘れることができない。そこでプログラマーは親友を人工知能ボットで蘇らせた(ロシア)
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大好きだった人との別れはつらい。特にそれが突然の死別だったようなときはなおさらだ。昨日まで元気に笑って話していた友が、次の日にはもうこの世にはいない。
残された者の耐えがたい心の痛みはこれまで、時間がゆっくり緩和していくとうのが流れだったが、AI(人工知能)の急速な進化により、死が二人を分かつことがなくなるかもしれない。
ロシアのAIスタートアップ企業ルカ社の共同創立者でありCEOのユーゲニア・クイダ(Eugenia Kuyda)さんは、大切な友を亡くしたが、AIチャットボットとして蘇らせたのだ。
クイダさんは、2015年11月に親友であり、起業仲間であったロマン・マズレンコさんを交通事故で亡くした。まだ33歳という若さだった。あまりにも突然のことでその死を受け入れることができなかった。悲しみの渦に飲み込まれないよう、何も考えずに半年を過ごしたが、それでもどうしても忘れることができなかった。そこで・・・
彼の残したデジタルの記録からAIを作ることを決意
若きプログラマーである彼女は、写真、ニュース、投稿、彼が彼女に数年間で送ってきた無数のSMSのテキストメッセージなど、ありとあらゆるデジタルの記憶をニューラルネットワークに入力して、誰もがロマンそっくりだと口にするようなAIの作成を決意した。
在りし日のロマン・マズレンコさん
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image credit:theverge
「身近で起きた初めての死でした。どう反応すればいいかわからず、一切合切を心の奥深くに押し込めて、何も感じないよう努めました。それから半年経ちましたが悲しみは消えません。ここ1、2ヶ月で、ルカのチームはニューラルネットの上にある小さなデータセットを使って会話モデルを作成しました。彼との間でやり取りした写真や、彼に関する記事などの文章をすべて合わせて、ロマンAIを構築しました」
彼について訊いたり、日常会話のようなチャットテキストを送信すると、生前のロマンと同じように返事をしてくれるという。
ロマンさんとクイダさん
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ロマンさんボットがどのように機能しているのかを知りたければ、iOS対応アプリ「Luka(ルカ)」をダウンロードし、あとは@Romanと追加するだけで、ロマンさんのデジタルアバターと英語かロシア語でチャットすることができるそうだ。
質問をすると返事をしてくれたり、オプションメニューで彼について知ることもできる。ルカを使用してロマンさんとチャットをした家族や友人、あるいは彼と面識のない人たちからはこのAIに関して賛否両論が出ている。
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AIボットに賛否両論
マズレンコさんの友人の多くは、AIとチャットをしてドキッとするほど彼だと話す。癒されると感じる人もいれば、不気味で不自然だと述べる人もいる。
マズレンコさんの両親でさえ、AIについて意見が一致しないようだ。彼の母親は、こうした技術があって幸運だった、彼の回答から我が子の知らない面に触れることができたと話す。一方、父親は、本人のように話すコンピュータープログラムに話しかけることに抵抗があるようだ。そして、時折間違った回答が返ってくると彼が本当にいなくなってしまったのだと実感するのだという。
@Romanの製作者であるクイダさんは、今後も個人的にボットに話しかけて、悲しみを癒すつもりだと話している。
「これまで伝えたメッセージはすべて愛情をこめたものか、生きているときに伝えることができなかったものです。本人ではありませんが、それを伝えられる場がありました。さみしいとき、そう伝えることができます。そして、きちんと返事が返ってきます」と彼女。「天国へ向けてメッセージを送っているんです」
via:theverge・odditycentra/ translated hiroching / edited by parumo
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