大学生が使いがちなバイト敬語! 「よろしかったでしょうか」が間違っている理由

街中いたるところで耳にする、「なんだか変!」と感じる敬語。主に若いアルバイト店員たちが好んで使うことから、「バイト敬語」と呼ばれています。一見敬語のようだけど……実は意味が伴っていない!? 学生のうちに正しておきたいバイト敬語のなかから、今回は「よろしかったでしょうか?」を取り上げます。
■なぜ過去形?
バイト敬語の中でも、もっとも耳につきやすいフレーズとして知られているのが「~でよろしかったでしょうか?」というものです。ファミレスへ来店すると、「お二人さまでよろしかったでしょうか?」「禁煙席でよろしかったでしょうか?」「ご注文はコーヒーでよろしかったでしょうか?」などなど……矢継ぎ早に「~でよろしかったでしょうか?」と確認されることもめずらしくありません。気にならない人は全く気にしない言葉なのでしょうが……気になる方にとっては「見たらわかるでしょ!」「『今』のことなのに、なぜ過去形なの!?」とイライラするケースも多いものです。
こんなときに正しく使えるのは、シンプルな「よろしいですか?」というフレーズです。もちろん、見てすぐにわかる事柄について使う必要はありません。「お二人さまですね。禁煙席でよろしいですか?」とすれば、不快になる方もいないでしょう。
■実は……間違いとは言い切れない場面も!?
典型的なバイト敬語として嫌われる「よろしかったでしょうか」ですが、実は日本語研究者や敬語専門家の間でも意見が分かれるところもあります。「よろしかった」と、わざわざ過去形にしているのは、相手の意思を確認しているため。「~た」を確認の意味で使う用法は間違いではありません。「過去にあなたの意見は聞きましたが、私の考えは間違っていませんか?」と確かめている、というわけですね。
また、「よろしいですか?」と尋ねるのは、相手に答えを迫っているように思わせてしまうから……という配慮から、より遠回しに「よろしかったでしょうか?」としているのでは?という説もあります。こう考えると、「絶対にダメ!」と断じるのは難しいケースもあるようです。
■使っていいの? ダメなの?⇒重要なのは「相手に対する配慮」
一般的には「正しくない」とされるバイト敬語。しかし一方では「完全に間違いとは言い切れない」という現状もあるようです。ここで気になるのが、「じゃあ結局、使っても良いの? ダメなの?」という点だと思います。こんなときには、ぜひ敬語を使う意味について考えてみてください。
敬語を使うのは、会話の相手を不快にさせないためです。文法的には間違っていなくても、目の前の相手が違和感を覚えれば、それは敬語として成り立っていません。相手を不快にさせない言葉を選択するべきでしょう。
また、「どう伝えれば、相手にきちんと伝わるのか」をきちんと考えることも重要です。たとえば、「以前は○○でしたが、今回もまた同じものでよろしかったでしょうか?」という場面であれば、相手にも「過去の確認」という意味合いが伝わるはず。大切な部分を省かないことが重要です。また「見てすぐにわかること」や「直前の事象」に対して過去形を使うのは、どう考えても不自然なこと。マニュアル化して、どんな場面でも「よろしかったでしょうか」と伝えるのではなく、「今、どう伝えるべきなのか」を検討し、正しい言葉を選択する必要があります。
どこでも耳にする「よろしかったでしょうか?」ですが、実は使える場面は限定的なもの。より広範囲で使える「よろしいでしょうか?」を習慣化するのがオススメですよ。
(ファナティック)