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本好きリビドー(127) (2/2ページ)

週刊実話

また、一口に銭湯といってもかつては混浴もあったほか、江戸初期には“湯女”という射精サービスを専門とする女性を在籍させる浴場もあった。つまり、風俗産業の一種でもあったという。
 そんな銭湯の知られざるヒストリーをひもといたのが『入浴と銭湯』(雄山閣/2000円+税)だ。
 「雄山閣アーカイブ」と名付けられたシリーズの1冊で、平成6年(1994年)に発売された書籍の復刻版。
 銭湯のそもそもの興りは天正19年(1591年)、「伊勢の与市といいしもの、銭瓶橋のほとりに銭湯風呂を一つ立つる」(同著より)
 天正19年は豊臣秀吉が太閤となった年だから、歴史は古い。
 以降、石風呂や釜風呂など様式も変わり、庶民の間に広がると前述のように風俗としての役割も果たしてきた。
 幕末から明治・大正に至ると設備も進歩し、次第に近代的な浴場として整ってくる。
 だが、いつの時代も大衆にとって身近なくつろぎのスペースであった点に変わりはない。
 本書は学術書だが決して堅い内容ではなく、日本に根付いた入浴文化への親しみと愛情に満ちている。雑学を吸収する上でも最適な本といえそうだ。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

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