寝ても寝ても眠いときは要注意!考えられる疾患を知っておこう
夜に十分寝たはずなのに、日中また眠くなってしまう...。
そんな経験をお持ちの方はいらっしゃいますか? じつはそれ、過眠症と呼ばれる状態かもしれません。
今回は過眠症について紹介していきましょう。
□寝ても寝ても眠いのは過眠症という状態
□ホルモン分泌に異常があるナルコレプシーかもしれない
□睡眠時無呼吸症候群やうつ病の可能性も過眠症について知っておこう夜どんなに寝ていても日中眠くなってしまうという人は、「過眠症」の疑いがあります。
過眠症の特徴としては、日中強い眠気に絶えず襲われ、起きている状態を維持するのが困難な状態、そういった状況が少なくとも1か月以上続いているという方は過眠症に当てはまっているといえるでしょう。
過眠症は様々な原因が考えられます。ホルモン分泌の異常から、普段の睡眠時の状態、あるいはうつ病などの精神的なところからも過眠症が引き起こされてしまうことがあるのです。
そうなると学校や仕事などに支障をきたしてしまうのはもちろんのこと、実は自分が想像もしなかったような病気が引き起こされているということもあるので、油断はできませんよ。日中眠くなる原因過眠症の原因はやはり脳にあります。何らかの理由でここの機能に障害があると、過眠症になってしまいます。特に多いのは「ナルコレプシー」ですね。
ナルコレプシーとは
ナルコレプシーとは、日中に耐えきれないような眠気に襲われる状態が、何か月間も続いてしまう睡眠障害です。
日中の眠気自体は、寝不足や食後など誰にでも起こりうるものですが、ナルコレプシーの場合は、前日に十分な睡眠をとっていても、日中に眠気に襲われてしまうのです。
特に10代での発症が多く、14~16歳ごろがピーク。中高年以降で発症することはほとんどないといわれています。
ナルコレプシーから起こる発作
多くの場合は、緊張が強ければ何とか我慢できる眠気だそうですが、中には耐えきれなくなって突然眠り込んでしまう「睡眠発作」を伴っていることも。
他にも笑ったり驚いたときに急に脱力してしまう「情動性脱力発作」や、睡眠時に金縛りにあったり、入眠時に実体験のような夢を見る「入眠時幻覚」などの症状もあるそうです。
周囲から厳しい目で見られることも...
厄介なのは周りから「怠け者」のような扱いをされてしまうことですね。
学生のうちもそうなのですが、特に社会人になってもこの症状が治らない場合、仕事中にウトウトしているだけでも、「あいつはいつもたるんでいるな」というレッテルを張られてしまうのです。
そうしているうちに居場所を失ってしまい、転職や退職を余儀なくされることに…。ナルコレプシーはホルモン分泌の異常ナルコレプシーの原因は今まで謎が多い状態だったのですが、最新の研究結果でようやく「オレキシン」という物質が原因なのではないかと叫ばれるようになりました。
オレキシンとは
オレキシンは別名「睡眠ホルモン」といわれ、脳の中でも自律神経をつかさどっている「視床下部」というところから分泌されます。
睡眠状態と覚醒状態(目が覚めている状態)の切り替るスイッチのような役割を果たしているホルモンです。
そして研究を重ねていくうちに、ナルコレプシー患者はこのオレキシンの分泌が少なくなっていると判明し、これが原因なのではないかといわれるようになってきました。オレキシンの分泌が減少して、睡眠状態と覚醒状態の切り替えがうまくいかなくなると、日中に眠くなってしまうというのが、ナルコレプシーの一連の原因です。
となると、ナルコレプシー解消のためには、このオレキシンの分泌を増やしていく必要があります。本来はサプリメントから摂取することができると良いのですが、残念ながら日本にはまだありません。
オレキシン自体も1998年に発見された物質であり、まだまだその役割について謎が多かったりするので、なかなか難しいところですね。
規則正しい食事でオレキシンの分泌を増やす
ただ、日常生活でなるべくオレキシンの分泌を増やしていく方法はあります。それは「食事」です。規則正しく(なるべく毎日同じ時間に)3食をしっかりと、よく噛んで食べる。
すごく単純なことかもしれませんが、これをすることで実際にオレキシンの分泌が多くなったということは、研究によって証明されています。
しかし、ナルコレプシーは時によっては非常に危険な病気です。運転中に眠気に襲われてしまっては大変ですからね。なので、いくらオレキシンを増やす方法があるからといって、決して自分だけで治そうとしてはいけません。
必ず医療機関へ相談するようにしましょう。睡眠時無呼吸症候群にも気を付けようもちろんそれ以外が原因で睡眠障害になっている可能性もあります。例えば睡眠時無呼吸症候群が代表的でしょうか。
睡眠時無呼吸症候群とは
これはその名の通り眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。大体10秒以上の無呼吸状態が一晩で30回以上になると、これに当てはまっているといわれています。
いびきをかくと、舌のつけ根や喉の周辺の柔らかい部分が後ろへ下がってきてしまいますよね。
そうすると気道が圧迫されて、空気の通り道が極端に狭くなり、無呼吸になってしまうというものです。
そうすると酸素不足に陥ってしまい、それを補うために心臓はさらに心拍数を上げて対処、そしてその命令を出すために脳も断続的に起きている状態になってしまうのです。
睡眠時間が十分に見えても...
身体は寝ていても脳は起きているのですから、十分な休息は取れていませんよね。そのため昼間に眠くなってしまうのです。
簡単な対処法としては、あおむけではなく横向きに寝るのが有効ですね。横向きに寝ることで気道が確保され、十分な酸素を取り込むことができます。
どちらにしても自分では気づきにくい症状なので、心配ならご家族の方に聞いてみてはいかがでしょうか。非定型うつ病からきている場合もまたうつ病のような精神的な病と併発して睡眠障害が起きているという場合も少なくありません。うつ病は精神的ストレス・身体的ストレスが重なることで、脳に機能障害が起きている状態です。
そのため睡眠にかかわるホルモンがうまく分泌されずうまく寝付けない、寝てもすぐ起きてしまう、起きても頭すっきりしない、ということもしばしば。
しかしながらうつ病の種類によっては、逆に寝すぎてしまう、いくら寝ても寝たりないという仮眠の症状が出てしまう場合もあるのです。
「非定型うつ病」と呼ばれ、ここ最近増えている病気です。嫌なことがあるとすぐに落ち込んでしまう反面、楽しいことをしている時は非常に気分がいい、という非常に極端な状態になってしまうのが特徴。
従来のうつ病が何をするにも無気力になってしまうのに、この非定型うつ病は正反対ですよね。従来のうつ病は、ストレスなどによって「セロトニン」というホルモンの分泌量が減ってしまうことから発生します。
セロトニンは「ドーパミン」「ノルアドレナリン」と並ぶ3大神経伝達物質と呼ばれており、その特徴は以下の通り。
ドーパミン
ドーパミンは気分が強く高揚した時に分泌されたホルモンです。何か新しいことにチャレンジする時、ドキドキワクワクとするようなあの感情はドーパミンからもたらされます。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンはドーパミンとは逆に「不安」や「恐怖」を感じた時に分泌されたホルモンです。不安によって胸がキュッと締め付けられ、息もできなくなってしまうようなあの感覚は、ノルアドレナリンからもたらされます。
セロトニン
そしてセロトニンはこの2つの分泌をコントロールする働きがあります。
ところが精神的ストレスでセロトニンの分泌が減ってしまうと、ドーパミンとノルアドレナリンのバランスが崩れてしまい、心の状態も不安定に。そして次第にうつ病になってしまうのです。
というのが、従来のうつ病の原因です。では過眠の原因となる非定型うつ病でも、やっぱりこのセロトニンの分泌が減ってしまい、バランスが崩れて起こっているのでしょうか。といわれると、実はそうではありません。
もちろんその可能性もありますが、他にもコルチゾールの過剰分泌や、BDNF(脳由来神経栄養因子)の欠乏によって起きているのではないかという説もあります。まだまだどれも仮設の段階で、原因ははっきりと究明されていません。
しかし仮眠の原因については、非定型うつ病の場合、常に脳が不安な状態になってしまっているため、エネルギーの消耗が激しく、脳を休めるために仮眠になってしまっているのではないかとも言われています。
これらを根本的に解決しようとすると、やはりうつ病を治療していくしかありません。もし今回紹介したような症状がご自身にも当てはまるなと感じたのであれば、一度医療機関への相談をお勧めします。日中眠たいのは怠惰のせいではないいかがだったでしょうか。過眠症といっても、様々な原因があります。
特にうつ病というと不眠症を併発している人が多いというイメージがありましたが、実は過眠症を併発することもあるのは意外でしたね。
日中眠たくなってしまうのは、決してあなたが怠惰だからではありません。まずは自分自身のことを良く知って、しっかりとした対策を行いましょう。
(監修:Doctors Me 医師)