関東連合元リーダーが明かす「私が接触した“酒鬼薔薇聖斗”の正体」(1)自分に同じことができるか? (2/2ページ)
「見立君」は、
「柴田を殺せ! 家族もオンナも皆殺しだ!」
と海外から指令を出した。
このような目まぐるしさから、「酒鬼薔薇聖斗」は私の中で、記憶と忘却の狭間に置かれることとなった。しかし、2015年6月28日、事件が起きる。酒鬼薔薇が「元少年A」として手記「絶歌」を出版したのだ。
「性的サディズム」と診断されたA氏だが、私は「見立君」を思い出さずにいられない。暴力を働く不良少年と、拷問を働くサディストの間にはかい離がある。両者の境界線を、私は「集団と単独」、「暴力と性の結びつきの有無」と考えている。「見立君」には単独での強姦歴があり、A氏もまた単独犯行の中で射精を経験している。そして「サディスト」はなぜかカリスマ性を持ち、集団を導くのだ。
■柴田大輔(ノンフィクション作家):ペンネーム・工藤明男として刊行した処女作、「いびつな絆 関東連合の真実」(宝島社)は17万部のベストセラーになる。本作より、本名を明かす。関東連合元リーダー。ITや芸能の分野で活動後、警察当局に関東連合最大の資金源と目されていた。「いびつな──」刊行と同時に、暴対法における保護措置により保護対象者に。現在は、執筆活動を中心にスマホアプリの開発・運営をしている。最新作「聖域」(宝島社)では「関東連合の金脈とVIPコネクション」を描く。