リスボンの世界遺産、「テージョ川の貴婦人」ベレンの塔で大航海時代に思いを馳せる (2/2ページ)

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テラスのほぼ中心に立っているのが、イエスを抱く聖母マリアの像。かつて、テージョ川から出航する船乗りたちがこのマリア像に航海の安全を祈願したのです。

塔を彩る帆船用のロープや、エンリケ航海王子のシンボルである十字架、マヌエル1世の治世をたたえる天球儀などはマヌエル様式の典型的なモチーフ。アーチと支柱が連なる柱廊は、イタリアン・ロマネスク様式の影響を受けたものです。

装飾の細部まで、一つひとつじっくりと眺めてみましょう。堅牢な砦でありながら、「貴婦人」と称されるどこか女性的な美しさが感じられるはずです。

かつては川からの侵入者を見張るやぐらとして機能した屋上のテラスからは、リスボンの市街や対岸に立つ28メートルのキリスト像「クリストレイ」にいたるまで、周囲の風景が一望できます。

街の様子は、その昔海の男たちが目にしたものとは大きく変わっていることでしょう。しかし、冒険者たちを送り出したテージョ川は今も変わらず雄大な姿を私たちに見せてくれます。

時代とともに変わりゆくものもあれば、変わらないものもある。ベレンの塔は、壮大な歴史ロマンと、悠久の自然の営みを体感できるスポットなのです。

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