金正恩氏が朴槿恵氏に「恨み」を晴らす時が来た (2/2ページ)

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もしくは、自滅の道に進むようなシナリオを考えていたのかもしれない。ここ最近の朴氏の言動は、脱北を呼びかけたり、金正恩体制の崩壊に言及するなど、あえて北朝鮮を刺激する表現が目立つ。これは、南北関係において優位に立っているという自信の表れだったのかもしれない。

逆に言えば、敗北続きだった金正恩氏は、朴氏が「崔順実ゲート」でピンチに追い込まれ溜飲を下げているだろう。さらに、このスキャンダルは正恩氏にとって南北関係において優位に立つチャンスとなり得る。

愛人ホストの利権集団

崔順実ゲートをめぐっては、驚くことに崔氏と親しい財閥夫人や広告プロデューサー、彼女の愛人とされる元ホストが居並ぶ「素人利権集団」が、大統領にどのように指図するかを秘密裏に話し合っていたとの証言がある。事実なら、朴氏は「操り人形」だったということになる。

こうした新情報が出れば出るほど、北朝鮮の朴槿恵非難はさらに激化するだろう。もちろん正恩氏にもスキャンダルはあるが、表現の自由が一切ない北朝鮮ではスキャンダルなど問題にすらならない。一方、韓国はまがりなりにも民主国家であり、今回のように政治的スキャンダルは政権運営に悪影響を及ぼしかねない。

万が一、今の時点で北朝鮮が核実験やミサイル発射を強行、または小規模な軍事挑発を決行すれば、自身のスキャンダルで手一杯の朴氏が、まともに対応できるのだろうか。これまでのように、対北強硬姿勢を貫けるのだろうか。冒頭に述べたように、朴氏の対北朝鮮強硬姿勢をそれなりに支持してきた世論は、すでに離れつつある。

こうした朴氏のピンチを踏まえて、北朝鮮が何かを仕掛けてくる可能性は十分にある。つまり、金正恩氏にとって積年の恨みを晴らす千載一遇のチャンスが到来したのだ。

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