「まさか私が(笑)」なんて、ない。HIV感染が分かりにくい理由とは? (1/2ページ)
日本でのHIV感染者数は、年々増えていると聞きます。ニュースやドキュメンタリー番組などから「すこし遠い世界のお話」として、私たちに届くこともありますよね。
しかし身近な知り合いや友達、そして自分の身に振りかかるなど、リアルな話として触れる機会は、やはり少ないもの。そこには「気軽には話しにくいデリケートな話題である」という理由がありそうですね。
加えてHIVの話をいまいちリアルに感じられない理由として、私自身が思うことはもうひとつ。それは「HIV感染は気がつきにくいモノである」ということ。
さて、今回の記事では「なぜHIVは感染したことに気がつきにくいモノなのか?」を解説していきます。
HIV感染に気づきにくい理由① 初期症状が風邪に似てるからまずHIVの初期症状はどんなモノなのか、ご存知ですか? よく風邪やインフルエンザの症状に似ていると言われています。
HIVに感染するとあらわれる、主な症状はこちら。
熱が出る ノドが痛くなる リンパ節が腫れる 頭痛 吐き気や嘔吐 お腹の調子が悪くなるこうして見てみると、やはり風邪の症状によく似ていますよね。なおこの症状が出ている時点でHIVに感染しているかどうかと判断するのは、難しいものなのだそうです。「ちょっと体調悪いけど大丈夫でしょ!」と見過ごしてしまうことにも大きくうなずけますね。
HIV感染に気づきにくい理由② 症状が消えるから感染から数週間のうちは、まるで風邪やインフルエンザのような症状が出るHIV。しかしある程度の期間が過ぎると、そのささいな症状も消えてしまいます。そして自覚症状のない状態が、数年のあいだ続くそう。この期間は「無症状期」と呼ばれ、数年をかけてすこしずつカラダの免疫力を奪っていくのです。
人間には痛みを感じる能力がありますが、それは私たちのカラダに迫っている危険を知らせる役割を持っています。もしそれがまったく感じられないとなると、感染していることにさえ気づけるはずがありませんよね。こんな事情から保健所などでは「自主的にHIV検査を受けること」が勧められています。