チーズ→牛→糞→エネルギー&新素材というエコサイクル(後編) (2/2ページ)
■ エネルギーにおいて革命を起こすことで世界を変えていきたい
——なるほど。プロジェクトを実現させられたのも、その意志の強さで20年越しのアイデアを貫いたことにあるのかもしれませんね。一番ご苦労したのはどの点でしたか?
このプロジェクトを実現するための正しい協力者を見つけるのが一番大変でしたね。私は職人ではないので、Merdacotta®を使ったプロダクツを作り上げてくれるスタッフが必要で、それを見つけるまでには長い時間がかかりました。

オリジナル素材Merdacotta®を作っている工場
でもそんな中で出会った人たちは、私の人生に大きな影響も与えてくれました。たとえばマッシモ・ヴァレスキ(ギャラリーオーナー、Museo della Merdaのプロジェクトに関わった)とデイヴィッド・トレムレット(アーティスト、同社の蒸解窯に絵を描いた)は、誰よりも早くにこのプロジェクトを理解してくれましたし、彼らが語ってくれたアートや人生についての話は、私がこのプロジェクトを続けていくための大きな刺激にもなりました。
——このプロジェクトにはとてもエネルギーを注がれていた様子がわかります。が、他に死ぬ前に何か実現させたい夢などはありますか?
これから何がやりたいか、と聞かれたら、それはちょっとわかりませんね……。確かにミュージアムのためにやってきたことは長年手をかけてきた頃が実を結んだとはいえます。でも私は新しいことや新しい世界を発見するのは常に大好きなので。
——次の世代には何を残したいですか?
エネルギーにおいて革命を起こすことで世界を変えていきたい、でもそれと同時に見た目も美しくなければいけないと思っています。ミュージアムのプロジェクトのように、エステティックとエシックが柔軟な形で一緒になったプロジェクトを次世代のために残していきたいと思います。
【取材協力】
GIANANTONIO LOCATELLI
1956年生まれ。イタリア・カステルボスコ出身。農業、畜産業者。チーズ(「グラナ パダーノ」、「ブロヴォローネ」)生産者。自然保護、エコロジー経済などに傾倒し、2000年前半ごろから堆肥の再利用開発のプロジェクトを進める。2015年にオープンした「Museo della Merda」創始者。
※ 牛糞から生まれる新素材とエネルギー。これが本物の食物連鎖!?(前編)