扁桃腺摘出手術を受けるメリットとデメリット 事前に知りたい内容と入院期間
風邪をひいたりストレスや疲労が溜まっているとき、扁桃腺が腫れて喉が痛くなる経験をしたことがある人は多いと思います。
症状が悪化すると、唾を飲み込むたびに激痛が走り、食事はもちろん水分補給も困難なほど辛い状況に陥ります。
そんな時は手術によって扁桃腺を摘出することも有効な治療法です。
しかし、手術となると気になるのが入院期間や術後の痛みなどについて。今回はそれらを分かりやすくまとめてみました。
□扁桃腺にウイルスや細菌が増殖することによって扁桃炎が発症する
□扁桃炎を頻繁に発症する人は扁桃腺摘出手術によって改善が見込まれる
□手術による入院期間は1〜2週間が一般的扁桃腺が腫れる理由とは? 扁桃腺は喉の口蓋垂(のどちんこ)の両脇にある器官です。正確には口蓋扁桃と呼び、体内に入ってくる細菌やウイルスなどの有害物質から守ってくれる役割を果たします。
しかし、その役割を果たすのは一般的に抵抗力の弱い乳幼児期までと言われており、大人になる頃には十分な抵抗力がついているためそれほど重要な器官ではなくなります。
むしろ扁桃腺は大人になるにつれて縮小していくのですが、中には大人になっても扁桃腺の大きさが変わらずに残っている人もいます。
この扁桃腺は体内に細菌が入ってくるのをブロックする目的があると同時に、細菌の巣窟になりやすいことも大きな特徴です。
体調を崩して抵抗力が落ちているときに細菌が侵入・扁桃腺で増殖し炎症を起こします。これが「扁桃炎」と呼ばれる症状です。扁桃腺摘出手術が必要な場合とは? 風邪をひいたときに扁桃腺が腫れることはよくあり、多くの人が一度は経験することでしょう。
しかし、1年に何回もその症状を繰り返し、生活や仕事に支障をきたすほどの影響がある場合は扁桃腺を摘出するため手術を勧める医療機関が多いです。
また、その扁桃炎によって食事や水分補給も難しくなったり、呼吸が困難になるほどの扁桃肥大が見られる場合も同様に手術が必要です。
扁桃炎の原因となるウイルスの一つに「溶血性連鎖球菌(溶連菌)」があります。これは腎炎という病気の要因にもなるため、それらの病気を発症した場合にも切除の必要があります。扁桃腺摘出手術のメリットとデメリット扁桃腺手術には大きなメリットもあれば、反対にデメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット
・扁桃炎の頻度が大幅に少なくなり、発症するたびに見舞われていた喉の激痛から解放される
・ひどい発熱が発症しにくくなる
・呼吸が楽になり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を減らせる可能性がある
デメリット
・手術費用と入院費などがかかる
・手術後の痛みが強い
・手術中は長時間舌を押さえつけるため、術後に味覚障害が一定期間残る可能性がある
・ごく稀に麻酔によるアレルギー反応を起こす場合もあり、肺炎や喘息発作などのリスクもある扁桃腺摘出手術の痛みについて扁桃炎の摘出手術は全身麻酔によって行われます。そのため手術中に痛みを感じることはありませんが、術後麻酔が覚めた後で強烈な痛みが襲ってくることが多いです。
人によって痛みが残る期間はさまざまですが、短くても2〜3日、長い人では1週間以上にわたって現れることもあるようです。
痛み止めを飲んでも緩和されない場合は、より即効性のある座薬が処方されます。痛み止めを飲まないと食事を摂れないことも多いため、食事のタイミングで痛み止めを服用することが多いようです。扁桃腺摘出手術の入院期間と注意点扁桃腺の摘出手術は一般的に1週間〜2週間程度の入院が必要です。術後は扁桃腺の切除跡に瘡蓋(かさぶた)ができ、傷口が塞がるのを待ちます。
咳やくしゃみなどの強い衝撃が加わることで傷口が開いてしまうと、入院期間もその分延びてしまうこともあるため注意が必要です。
また、手術直後の数時間は唾を飲み込んだり水を飲んだりすることができないため、唾はティッシュなどを使って拭き取ります。水分補給は点滴によって行われ、自足歩行も麻酔が完全に覚めるまで制限されます。
食事は手術後の経過を見ながら重湯・1分粥・3分粥・5分粥・全粥というように段階を踏んでいきます。食事で気をつけなければならないのは、煎餅やパンなど、傷口を痛める可能性があるものは絶対に食べてはいけません。
また、柑橘類などの刺激のあるものに関しても禁止されます。扁桃腺摘出手術は慎重に判断する扁桃腺は摘出することによって多くのメリットが得られますが、そもそも絶対に摘出しなければならないというものでもありません。
むしろ手術による経済的負担や入院による長期休業、稀ではありますが全身麻酔によるリスク、それらと手術によるメリットを天秤にかけ、メリットがデメリットを上回るようであれば手術を行う価値は大いにあります。
慢性的な扁桃炎によって苦しめられている人は、主治医と十分に相談したうえで扁桃腺摘出を考えてみてはいかがでしょうか。
(監修:Doctors Me 医師)