【プロ野球】《阪神・超変革を振り返る》広島の“走りっぷり”と阪神の“走塁”を比較してみた (2/2ページ)
■塁に出なければはじまらない
では、盗塁を仕掛けるための必須の要素は何だろうか?
“足が速い”“盗塁の技術が高い”“投手のクセを読める”など、いろいろな要素はあるだろう。ただ「必須」は、当たり前だが「出塁」だ。まずは塁に出なければ始まらないということだ。
広島との盗塁数の差は、両チームの出塁率の差がそのまま反映されたと言えなくもない。
広島のチーム打率は.272に対し、阪神は.245と3分近く低い。また四死球の数は広島の560個に対し、阪神は503個。より出塁率の差を広げる要因にもなっている。
広島は打てるから積極的に仕掛けられるということならば、成功率で遜色のない阪神は出塁率を上げさえすれば、同じように仕掛けるチャンスも広がるはずだ。
かつて2001年から5年連続で盗塁王に輝いた赤星憲広の通算打率は.295、通算出塁率は.365だった。赤星はスピードもあり、スライディング技術にも長けていた。これは紛れもない事実だ。ただ、“塁に出るから走れた”のである。
■出塁できないから仕掛けられない悪循環
矢野燿大作戦コーチが、今シーズンを振り返りこんなことを言っていた。
「前半戦は積極的に盗塁を仕掛けられたが、中盤あたりから失敗を恐れるあまり動けなくなった」
打てなくなると、ランナーを大事にするために積極的に動けなくなる。そうなると得点圏にランナーが進むチャンスが減り、結果的に得点に結びつかない。 すると、余計にまた動けなくなる。悪循環である。
“走塁”のためには“出塁”。
当たり前とはいえ、すべてはここに尽きるのかもしれない。走力や技術を磨くだけではいけない。“走塁”とは一筋縄ではいかないもの。
だから「超変革」なのだ。
- まろ麻呂
- 企業コンサルタントに携わった経験を活かし、子供のころから愛してやまない野球を、鋭い視点と深い洞察力で見つめる。「野球をよりわかりやすく、より面白く観るには!」をモットーに、日々書き綴っている。