脾臓が増大する恐ろしい脾腫 早期発見するための検査のポイント
脾臓が増大し、機能不全などを引き起こしてしまう脾腫。 時に脾臓摘出にまで至ってしまう疾患はなぜ起こり、どうすれば発見できるのでしょうか? 原因や検査内容といった部分を細かく見ていきましょう。
要チェック項目 □脾腫は脾臓の機能不全や血中の血球減少を招く疾患である □ほぼ必ず脾腫を起こす原因となった別の疾患が存在する □脾腫自体の検査は比較的容易だが、原因疾患まで特定する必要がある脾腫とはどんな状態? 脾腫とは文字通り脾臓が正常な大きさを超えて腫脹した状態を指します。それに伴い、脾臓に機能が異常に亢進したり、反対に上手く働かなくなってしまったりするのが脾腫の問題点です。 しかし、そもそも脾臓が普段どんな役割を担っているか、皆さんはご存知でしょうか? あまり知られていませんが、循環器系に含まれる臓器である脾臓は免疫機能を司ったり、古くなった血球の破壊や余分な血球の貯蔵などを行っています。 その脾臓が脾腫になることで、まず脾臓が血球を過剰に貯蔵してしまう病態が発生します。単純に脾臓の体積が大きくなるので、その血球貯蔵機能が自然と亢進してしまう訳です。 血球が脾臓に多く貯蔵されてしまうと、当然に体内の他の部位で血球が不足します。赤血球の不足は貧血を招き、白血球の不足は感染症にかかりやすくなるなど免疫機能を低下させます。 これは時に深刻な障害を身体にもたらします。 また、血球を異常に取り込んだ脾臓が内部で目詰まりを起こし、今度は機能を阻害されてしまうという場合もあります。 他にも、あまりに大きく腫脹し過ぎて脾臓全体に血液が行き渡らなくなると、一部が壊死したり、損傷して出血を起こすことがあります。脾腫を疑うべき症状について腫脹の進行に伴い、時に深刻な病態を示す脾腫は早期発見を旨とすべき疾患の一つです。 発見自体については検査を行うべきですが、本項では一歩手前に当たる脾腫を疑って医療機関を受診する目安となる症状をご紹介していきます。ただし、脾腫の多くは無症候性であることにも注意が必要です。
満腹感 脾臓は胃の近傍に位置するため、脾腫が存在すると胃が圧迫されることがあります。すると、ごくわずかな食事をしただけ、または何も食べていなくとも満腹感を覚えるという状態になってしまいます。 食欲不振ではなく、あたかも胃の容積が減っているかのような満腹感には注意が必要です。
左上腹部や背中、左肩の痛み 脾臓が位置する左上腹部から背中の痛みが見られる場合があります。また、脾腫が進行してしまい、脾臓の壊死が始まった時には左肩に痛みが出ることが多いため是非覚えておいてください。
貧血 脾腫によって脾機能が亢進すると全身で赤血球が不足して貧血を起こすことがあります。食生活のバランスなど他の要因が浮かばない貧血があれば、脾腫の可能性も頭の片隅に入れておくべきでしょう。脾腫にはほぼ常に原因となる疾患があります脾腫はまず間違いないと言っても良い確率で「続発性」です。つまり、脾腫が単独で発症する例は皆無に等しく、何らかの他の疾患の影響によって発生する場合が極めて多いということです。 そのため、医師は脾腫を引き起こす原因となるような疾患を有する患者に対して、脾腫を併発していないか検査する場合があります。以下に、そういった脾腫の原因となり得る疾患を列挙します。
慢性感染症 免疫機能を司る脾臓は特にマラリアや梅毒、結核といった感染症に罹患した際に酷使されます。その影響で脾臓は免疫能力を高めようと腫脹し、結果として脾腫を発症する場合があります。
肝門脈をうっ血させる疾患 二つの毛細血管に挟まれた血管を門脈と言いますが、脾臓から血液が流れ込む門脈に肝門脈があります。 この門脈への血液に流入が何らかの原因で滞り、脾臓から血液を逃がす場所が無くなると脾腫を発症する可能性があります。 肝門脈への血液の流入は肝臓の異常である肝硬変や多血症などの血栓症によって滞りますので、これらの疾患は脾腫の原因となり得るということになります。
血球などの増加をきたす疾患 真性赤血球増加症や白血病など異常に赤血球や白血球が産生される疾患があると、脾臓はそれらの血球を破壊するために負担を強いられます。結果、脾臓は機能を高めようと腫脹して、脾腫に至るということが知られています。脾腫の有無を確認するために行う検査脾腫を疑わせるような症状や脾腫を誘発する別個の疾患の発見を受けて、医師は脾腫が存在する可能性を検討します。そして、必要があると判断した場合にはいくつかの検査を実施します。 具体的には次のような検査があります。
触診 普通、脾臓は手を当てても触知することはできません。しかし、ある程度以上に腫脹した脾臓は医師が触診すれば分かる場合があります。最も簡便で、費用もリスクも低い検査法になります。
超音波検査 心エコーなどという言葉で耳にするエコー検査、つまり超音波検査を実施して脾臓の状態を見ます。 超音波は非侵襲性のため、放射線などと違い身体に影響が残らず、体内の脾臓の大きさを視覚的に捉えることができるので非常に有意義です。
脾臓の組織検査 脾臓の組織を取って調べることで脾腫か否かはもちろん、脾腫の場合にはその原因となっている疾患さえも分かる場合があります。 しかし、患者の負担が大きい上に、脾臓は切除後に出血が持続するなど不適切な経過を辿ることが少なくないため、あまり実施されることはありません。脾腫の治療 発見後の流れ脾腫の治療として第一の選択肢は原因疾患、つまり脾腫を引き起こしている別個の疾患を治療することです。 しかし、脾腫を誘発する疾患には難治性のものも少なくないため、場合によっては脾腫による悪影響を先んじて取り除くため、脾臓の摘出を行うことがあります。 身体の免疫機能が弱まるなど脾臓摘出にはデメリットも存在しますが、医師から摘出手術を勧められた場合にはメリットをよくよく検討して判断することが大切です。 また、放射線を用いた治療で脾臓を小さくする治療もありますので、もしもの時のために知識としてキチンと覚えておきましょう。脾腫には深刻化の懸念も 原因を含めキチンと検査を脾腫は時に深刻な病態をもたらすため、もし脾腫を疑わせる異常があれば医療機関を受診して検査するようにしましょう。 また脾腫はほぼ例外なく「続発性」ですので、脾腫が先に分かった場合には原因疾患を、脾腫の原因となり得る疾患が先に分かった場合は脾腫の検査を欠かさないようにすることが大切になってきます。 (監修:Doctors Me 医師)
要チェック項目 □脾腫は脾臓の機能不全や血中の血球減少を招く疾患である □ほぼ必ず脾腫を起こす原因となった別の疾患が存在する □脾腫自体の検査は比較的容易だが、原因疾患まで特定する必要がある脾腫とはどんな状態? 脾腫とは文字通り脾臓が正常な大きさを超えて腫脹した状態を指します。それに伴い、脾臓に機能が異常に亢進したり、反対に上手く働かなくなってしまったりするのが脾腫の問題点です。 しかし、そもそも脾臓が普段どんな役割を担っているか、皆さんはご存知でしょうか? あまり知られていませんが、循環器系に含まれる臓器である脾臓は免疫機能を司ったり、古くなった血球の破壊や余分な血球の貯蔵などを行っています。 その脾臓が脾腫になることで、まず脾臓が血球を過剰に貯蔵してしまう病態が発生します。単純に脾臓の体積が大きくなるので、その血球貯蔵機能が自然と亢進してしまう訳です。 血球が脾臓に多く貯蔵されてしまうと、当然に体内の他の部位で血球が不足します。赤血球の不足は貧血を招き、白血球の不足は感染症にかかりやすくなるなど免疫機能を低下させます。 これは時に深刻な障害を身体にもたらします。 また、血球を異常に取り込んだ脾臓が内部で目詰まりを起こし、今度は機能を阻害されてしまうという場合もあります。 他にも、あまりに大きく腫脹し過ぎて脾臓全体に血液が行き渡らなくなると、一部が壊死したり、損傷して出血を起こすことがあります。脾腫を疑うべき症状について腫脹の進行に伴い、時に深刻な病態を示す脾腫は早期発見を旨とすべき疾患の一つです。 発見自体については検査を行うべきですが、本項では一歩手前に当たる脾腫を疑って医療機関を受診する目安となる症状をご紹介していきます。ただし、脾腫の多くは無症候性であることにも注意が必要です。
満腹感 脾臓は胃の近傍に位置するため、脾腫が存在すると胃が圧迫されることがあります。すると、ごくわずかな食事をしただけ、または何も食べていなくとも満腹感を覚えるという状態になってしまいます。 食欲不振ではなく、あたかも胃の容積が減っているかのような満腹感には注意が必要です。
左上腹部や背中、左肩の痛み 脾臓が位置する左上腹部から背中の痛みが見られる場合があります。また、脾腫が進行してしまい、脾臓の壊死が始まった時には左肩に痛みが出ることが多いため是非覚えておいてください。
貧血 脾腫によって脾機能が亢進すると全身で赤血球が不足して貧血を起こすことがあります。食生活のバランスなど他の要因が浮かばない貧血があれば、脾腫の可能性も頭の片隅に入れておくべきでしょう。脾腫にはほぼ常に原因となる疾患があります脾腫はまず間違いないと言っても良い確率で「続発性」です。つまり、脾腫が単独で発症する例は皆無に等しく、何らかの他の疾患の影響によって発生する場合が極めて多いということです。 そのため、医師は脾腫を引き起こす原因となるような疾患を有する患者に対して、脾腫を併発していないか検査する場合があります。以下に、そういった脾腫の原因となり得る疾患を列挙します。
慢性感染症 免疫機能を司る脾臓は特にマラリアや梅毒、結核といった感染症に罹患した際に酷使されます。その影響で脾臓は免疫能力を高めようと腫脹し、結果として脾腫を発症する場合があります。
肝門脈をうっ血させる疾患 二つの毛細血管に挟まれた血管を門脈と言いますが、脾臓から血液が流れ込む門脈に肝門脈があります。 この門脈への血液に流入が何らかの原因で滞り、脾臓から血液を逃がす場所が無くなると脾腫を発症する可能性があります。 肝門脈への血液の流入は肝臓の異常である肝硬変や多血症などの血栓症によって滞りますので、これらの疾患は脾腫の原因となり得るということになります。
血球などの増加をきたす疾患 真性赤血球増加症や白血病など異常に赤血球や白血球が産生される疾患があると、脾臓はそれらの血球を破壊するために負担を強いられます。結果、脾臓は機能を高めようと腫脹して、脾腫に至るということが知られています。脾腫の有無を確認するために行う検査脾腫を疑わせるような症状や脾腫を誘発する別個の疾患の発見を受けて、医師は脾腫が存在する可能性を検討します。そして、必要があると判断した場合にはいくつかの検査を実施します。 具体的には次のような検査があります。
触診 普通、脾臓は手を当てても触知することはできません。しかし、ある程度以上に腫脹した脾臓は医師が触診すれば分かる場合があります。最も簡便で、費用もリスクも低い検査法になります。
超音波検査 心エコーなどという言葉で耳にするエコー検査、つまり超音波検査を実施して脾臓の状態を見ます。 超音波は非侵襲性のため、放射線などと違い身体に影響が残らず、体内の脾臓の大きさを視覚的に捉えることができるので非常に有意義です。
脾臓の組織検査 脾臓の組織を取って調べることで脾腫か否かはもちろん、脾腫の場合にはその原因となっている疾患さえも分かる場合があります。 しかし、患者の負担が大きい上に、脾臓は切除後に出血が持続するなど不適切な経過を辿ることが少なくないため、あまり実施されることはありません。脾腫の治療 発見後の流れ脾腫の治療として第一の選択肢は原因疾患、つまり脾腫を引き起こしている別個の疾患を治療することです。 しかし、脾腫を誘発する疾患には難治性のものも少なくないため、場合によっては脾腫による悪影響を先んじて取り除くため、脾臓の摘出を行うことがあります。 身体の免疫機能が弱まるなど脾臓摘出にはデメリットも存在しますが、医師から摘出手術を勧められた場合にはメリットをよくよく検討して判断することが大切です。 また、放射線を用いた治療で脾臓を小さくする治療もありますので、もしもの時のために知識としてキチンと覚えておきましょう。脾腫には深刻化の懸念も 原因を含めキチンと検査を脾腫は時に深刻な病態をもたらすため、もし脾腫を疑わせる異常があれば医療機関を受診して検査するようにしましょう。 また脾腫はほぼ例外なく「続発性」ですので、脾腫が先に分かった場合には原因疾患を、脾腫の原因となり得る疾患が先に分かった場合は脾腫の検査を欠かさないようにすることが大切になってきます。 (監修:Doctors Me 医師)