カイカイキキの俊英 ob6年ぶりの個展 少女を通してゆらぎを描く

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カイカイキキの俊英 ob6年ぶりの個展 少女を通してゆらぎを描く

村上隆さん率いるカイカイキキに所属するアーティスト・ob(オビ)さん4年ぶりとなる2つの個展が、12月から2017年2月にかけて東京で開かれる。

1つ目の個展「狭間の舟」は、中野にあるHidari Zingaroで12月8日(木)より12月20日(火)まで開催。2つ目の「あわいにゆれる光たち」は元麻布にあるKaikai Kiki Galleryで2017年1月20日(金)から2月23日(木)にかけて行われる。

これまでは背景の具体的描写のない作品が多かったが、今回展示される作品では、行く先々の場所で出会う新たな風景を「異物」として取り込み、成長していく少女を描いているという。

18歳でデビューした若き才能

さまざまな色が入り混じったぼんやりとした不思議な風景の中に佇む少女。2011年、巨匠・村上隆さんにその才能を見出され、18歳の若さで作家デビューを飾ったobさん。

今回の個展はそんな作家デビューから6年の月日を経て開かれるもので、6年の間に起きた変化や成熟した作品群が次々と登場するという。

まず12月に開かれるHidari Zingaroでは、初のエッチング作品とドローイングをメインに約30点を展示予定。オールを持たないで舟に浮かび、波がゆらめくままに漂っていた少女が、人や動物との出会いによって「自分で行き先を決めたい」と気持ちを変化させる様子を、エッチングで繊細に描き出している。

一方、翌年1月に行われるKaikai Kiki Galleryでは、約20点のペインティング作品を展示予定。

ペインティングのほかにも、2014年に青森、静岡、島根で開催した「美少女の美術」展で描いたライブドローイングを、まったく異なる新たな小屋に生まれ変わらせたインスタレーション、さらに、生きる喜びを感じられるようになる少女を描く初の映像作品も展示。多様な形態での表現に挑むという。


今回の個展では風景画によって自然と人間の共存の可能性を問いかけたいと思っています。過去と未来、夢と現実、人間と自然。そのような異質なものの狭間を乗り越え、どこにも属さずに何にでも変化できる少女の自由さ、想像力、祈りを《あわい》という「なにかとなにかの間」を表わす言葉に込めまし
た。

『こんどうまれてくるときは』という馬と少女の恋をテーマにした作品では、「種族や身分や宗教が異なる男女(または男男や女女)の恋」という、アブノーマルなタブーのなかで純粋な愛に目覚める姿を描いています。少女というフィルターを通してみえてくる、自然の風景と実際の風景との違い、その揺らぎを感じていただきたいです。

個展に寄せて(ob)

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