やくみつるの「シネマ小言主義」 「泣かせるんじゃない」とLiLiCoに即メール 『幸せなひとりぼっち』 (1/2ページ)

週刊実話

やくみつるの「シネマ小言主義」 「泣かせるんじゃない」とLiLiCoに即メール 『幸せなひとりぼっち』

 スウェーデンで国民の5人に1人が見たほどの記録的ヒットとなったこの映画。
 作品のパンフレットを見ましたら、この映画批評コーナーを隔週で交代に担当しているLiLiCoさんの故郷の映画ということで、彼女の対談が掲載されていた。で、見終わったあと、早速にメールしました。
 メールの内容は一言「このバカ、泣かせるんじゃない!」。映画の主人公のセリフをマネて「バカ」呼ばわりしてしまいましたが、すぐに「いい映画でしょ〜」と返信が! とにかく、偏屈で頑固な主人公のオーヴェに、激しく感情移入してしまった1本です。

 自治会のルールを厳格に守り、違反者には文句を言わずにはいられないオーヴェよろしく、自分もゴミの分別などが大好き、交通ルールも絶対に遵守派です。
 一方で、彼と違うのは「タッパ」。おそらく180センチ以上はありそうなオーヴェに対し、自分は168センチしかないですから、こんなに威風堂々と存在できません。「ちっちぇージジィが何言ってんだ」みたいな扱いを受けることでしょう。「自分も高身長であれば…」と思わずにはいられません。

 彼は43年勤めた会社をリストラされ、妻にも先立たれてしまい、悲嘆に暮れます。私も基本的に1人が好きで、友達も極端に少ないですから、仮にカミさんに先立たれたら、後を追おうとは思わないまでも、絶望的な孤独感にさいなまれることは火を見るより明らかです。
 オーヴェがエライのは、外にも自分にも厳しい点。妻の死後も家の中は驚くほどキレイです。自分に甘い私だったら、翌日には荒廃しきっていることでしょう。
 その他にも、高福祉国家スウェーデンのお国事情も垣間見られて面白い。1人寂しいオーヴェは、ことあるごとに亡き妻のお墓参りに行くのですが、芝生が敷きつめられた公園のよう。まるで添い寝をするごとく、墓の横に寝そべったりする。日本じゃそんなことはとても無理だし、仏壇の前に座ったとしても「ここにいる感」は少ないですからね。

 それから、ちょっとした行き違いで関係を断っていた古い友人が要介護状態になり、無理やり施設に強制収容されそうになるシーンがあるのですが、施設に入れようとする役所は横暴だという描写には驚きました。

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