秋津壽男“どっち?”の健康学「ガンになったら民間療法を頼るべきか?初期と進行ガンでは考え方がまったく違う」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

ビタミンAを取りすぎると肝臓ガンになるのと同様に、ココナッツオイルで肝臓ガンになったという例が10年後に出ないとも限りません。ですので、「長く続いている民間療法は試す価値がある」という前提を、頭に入れてください。

 早期ガンの治療後、健康を取り戻したにもかかわらず、民間療法で予防する人も大勢いますが、現在のところ、民間療法にそこまでの力があるとはわかっていません。

 お金があればやってもいいというレベルにすぎず、私は患者さんに「お金を出すほどの治療法じゃない」と言ってます。

 例えば「プロポリス1カ月10万円」などは、はっきり言えば「人の足元を見た、えげつない商売」です。末期ガンなら止めませんが、早期ガンでやる必要はありません。

 また、いちばんやってはいけないことは「手術をすれば治る」早期ガンであるにもかかわらず、手術を拒否して民間療法に頼ってしまうことです。

 惜しまれつつ50代で亡くなった女優さんは、残念ながらこの選択をしてしまいました。

 手術で100%治るものを拒否するのは、絶対にやってはならないと覚えておいてください。

 治る病気は中途半端な治療をしないこと。逆に医者がさじを投げた病気は、現代医療では治りません。ワラにすがるつもりで、いろいろと試してみるしかないのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「ガンになったら民間療法を頼るべきか?初期と進行ガンでは考え方がまったく違う」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 12/1号“どっち?”の健康学秋津壽男ガン民間療法社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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