金正恩氏が「脱北美女」の奪還をねらっている (2/2ページ)
もっとも筆者とて、北朝鮮がそのような工作活動を狙っていると証明できる客観的材料を持っているわけではない。だが、ひとつ気になることがある。北朝鮮が今年6月になって16年ぶりに再開した、海外の工作員向けの乱数放送である。その目的と内容は、いまだ誰にも分っていないのだが、「美人ウェイトレス奪還」の指令であったとしても不思議ではなかろう。
いずれにしても、金正恩党委員長の工作員たちが彼女らを奪い返そうとしているのは、半ば北朝鮮が認めたようなものでもある。
北朝鮮レストランの女性従業員の中には、ネット上で韓国の男性らからアイドル並みの人気を集めている人もいる。
それだけに、他の脱北者よりは韓国社会に馴染めるような気もするが、北朝鮮当局から狙われているとあっては、不自由な生活を強いられかねない。
いずれにしても、脱北者が不本意な形で北朝鮮に帰らないようにするためには、韓国社会の対応が重要になる。
韓国統一省は11月27日、脱北者の「社会統合型」の定着に向け、雇用拡大を柱とする支援策を発表した。脱北者の社会進出を支援するため、中央行政機関や地方自治体、公共機関で脱北者の雇用を拡大。民間企業にも脱北者の採用を促す方針だという。
また、生活安定と自立に向けた支援金も、現在の1人当たり定着金 700万ウォンと住居支援金1300万ウォンから、物価上昇率などを反映して段階的に引き上げる方針だ。ほかにも、教育、就職、結婚、養育、家計など、韓国生活への適応に向けた支援を専門家と共に行う計画だという。
そのような施策が成果を上げ、命がけの脱北が少しでも報われることを期待したい。