【プロ野球】《采配の妙を探る》大ピンチを脱しろ! 2者連続敬遠策に必要な「プラス1」とは? (1/2ページ)
これ以上点をやれない。そんなときに限って贔屓のチームがピンチになるのは日常茶飯事のことだろう。そのピンチを脱するために用いられる作戦のひとつに敬遠策がある。
敬遠策には、打席に立つ相手チームの投手と勝負するためだったり、満塁策を取って守りやすくするといった意図がある。その敬遠を2度連続で行う2者連続敬遠策という作戦も、年に何回か見かけることがある。
ここで過去の印象深い2者連続敬遠策をご紹介しよう。
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■2015年9月29日:ヤクルト対広島
この日、勝てば優勝が決まるヤクルトは、2対4と2点ビハインドで迎えた8回表に2死三塁のピンチを迎えた。マウンドには頼れるセットアッパー・秋吉亮。
この2死三塁のピンチで、真中満監督は2者連続敬遠を指示し、満塁策を取ったのだ。併殺打を打たせずとも守りやすい2死での敬遠。それも2者連続で、だ。
これには、深い理由があった(と思っている)。
2死三塁で、広島は丸佳浩、菊池涼介、投手の大瀬良大地と続く打順だった。2点ビハインドのこの場面で点を失えば、1点でも2点でも敗戦濃厚の展開に変わりはない。
広島ベンチは大瀬良まで回れば当然代打を出してくる。この時、広島のブルペンに残っている投手は中崎翔太、一岡竜司、江草仁貴、今村猛、戸田隆矢。そして、先発要員の前田健太だった。
ヤクルトの攻撃は残り2回。大瀬良に代打が送られるならば、8回裏から中崎が「回跨ぎ」で投げることが濃厚だ。読み通り、中崎が8回、9回と「回跨ぎ」するなら打ち崩し、2点差をひっくり返すラストチャンスが見込める。
この展開を瞬時に判断し、真中監督は2者連続敬遠を選択したのだと推察する。秋吉は丸、菊池を敬遠し満塁策を取った上で、大瀬良の代打・小窪哲也を空振り三振に抑えた。
予想通り中崎は8回からマウンドに上がり回跨ぎで9回も投げることになる。結果、ヤクルトはこの試合には敗れたが深い意味があっての2者連続敬遠策だった。
この場面での2者連続敬遠策には、投手に代打を出させる「プラス1」の思惑があったのだ。