その恐怖の記憶、消してさしあげましょうか? (2/3ページ)

FUTURUS

source:https://www.nict.go.jp/press/2016/11/22-1.html

このとき、被験者は自分たちの脳活動パターンについて無自覚だが、報酬を得るために無意識に脳活動パターンを変化させるようになるという。

この実験を繰り返した後、再び恐怖と結びついているはずの赤と緑の図形を見せても、皮膚発汗や扁桃体の活動からは恐怖反応が見られなくなった。

source:https://www.nict.go.jp/press/2016/11/22-1.html

このことから、図形と恐怖を結びつける記憶が消されたと確認された。

つまり、恐怖の記憶が、報酬を得られるというポジティブな記憶に上書きされてしまったようなのだ。


■ ストレスなく恐怖記憶を消す

従来のPTSDの治療法には「暴露療法」という手法があり、恐怖対象を繰り返し見せるという方法があった。

たとえば青いジャンパーを着た男性に暴力を振るわれたという恐怖を克服するために、青いジャンパーの男性を繰り返し見せるというような手法だ。

この治療法は効果が認められたものの、患者に大きなストレスと与えることに問題があった。

また時間が経過すると、再び恐怖記憶がよみがえるという難点もあった。

しかし今回開発された手法では、被験者は無自覚なままで恐怖を克服できているため、ストレスが少ない。

しかも、恐怖記憶の痕跡から変容できた可能性もあるという。

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