【第1回】もしもの時も安心! 事故車の定義から廃車の手続き まで徹底解説!~事故車・廃車の定義とは?~

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【第1回】もしもの時も安心! 事故車の定義から廃車の手続き まで徹底解説!~事故車・廃車の定義とは?~
【第1回】もしもの時も安心! 事故車の定義から廃車の手続き まで徹底解説!~事故車・廃車の定義とは?~

自動車の不安といえばやはり事故。いくら気を付けてクルマを運転していても、事故を避けることは絶対にできません。というわけで、今回から4日間にわたってそんな”もしも”の時に役立つ 事故車 や廃車についての情報を徹底解説します! 第1回となる今回は、「事故車 ・ 廃車 の定義」についてです。事故車 や廃車ってどのような状態を指すのか、案外詳しい知識をお持ちの方は多くないと思われます。しかし、これを読めば一発で事故車・廃車の定義が分かりますよ!

■事故歴と修復歴の違いに注意しよう

まず事故車なのですが、これは一般的に事故歴のある車のことをいいます。事故歴とは、軽くバンパーをこすったようなかすり傷から電柱に激突するような大きなものまで含む広い範囲での事故のことですが、実はこの事故歴に開示の義務はありません。業者が一般消費者に販売する場合はもちろん、ユーザーが業者に下取りに出す場合にも、事故歴の申告義務はないのです。つまり事故車かどうかを申告するのはユーザーや販売店次第ということですね。

中古車でも複数のユーザーにわたって使用されてきた車や走行距離を重ねた車の場合、当然細かな事故歴はあるかもしれないのですが、記録に残す義務も開示する義務もないので、実際のところ確認する方法はないということです。こういった事情から、ワンオーナー車や新古車は高値がつく訳ですね。

事故歴とよく似た言葉に、「修復歴」というものがあり、中古車検索サイトで車を検索すると修復歴あり・なしと記載されています。修復歴と聞くと、「事故で1度は修理を受けたことがある車」と思われるかもしれませんが、実は違います。 一般的に販売されている車には、メインフレーム・クロスメンバー・ピラー・フロアパネル・ルーフパネルなど複数のパーツから構成される骨組みをベースに作られています。こうした部分に何らかの損傷を受けたり、交換や修正を行ったりした車は、整備記録に履歴が残ることになるのです。この履歴のことを修復歴と呼んでいます。

修復歴は事故歴とは違い、「財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」が定めた「自動車公正競争規約」という規約によって表示が義務づけられています。この規約は業界が自主的に定めたものですが、景品表示法に基づいて、公正取引委員会からも認定を受けており、先ほどのメインフレームなどの損傷基準を明確に定めています。そのため、中古車販売店などがオートオークションなどから修復歴のあるクルマを仕入れた場合、必ず査定票が存在します。それを見ればそのクルマがこれまでどのような事故に遭い、どんな損傷を受け、どこを修理または交換したかが一目瞭然ということなのです。

逆に言えば、どんなに大きな事故歴がある車でも、フレーム部分に損傷がなければ「修復歴なし」の車として販売できてしまいます。私も一度事故歴ありの車を下取りに出したことがあるのですが、事故の内容を査定にきた業者の方に伝えたところ「フレーム部分の損傷でないなら、修復歴はつかないので問題ないですよ」と笑顔でいわれ、査定額も下がらず買い取っていかれました。

つまり、事故車とは事故歴のある車という意味ですが、事故の記録を残す制度も開示する義務もなく、修復歴がなくても事故歴がある場合も考えられるので、新車登録から年数が経過した車両の場合だと事故歴を確認するのは難しくなるということです。

■ 廃車 の 定義 には主に3種類の状態がある!

事故車の次は廃車についてです。字面は車を廃棄してしまうかのようなイメージですが、実は廃車にもその手続きと状態に応じて「一時抹消登録」「永久抹消登録」「解体届出」という3種類の方法があるのです。では、それぞれ見てみましょう。

一時抹消登録

一時抹消登録とは、現在使用している車の使用を一時的に中断する場合に行う方法です。自動車は所有しているだけでも毎年の自動車税や車検時の重量税・自賠責保険料などお金がかかりますが、この一時抹消登録を行っておけば廃車扱いとなるので、使用していない期間の税金を払わずに済ますことができるのです。抹消後でも「中古車新規登録」を行えば、再びその車を使用できるので、例えば子育て期間中だけ今乗っているスポーツカーを一時抹消登録して実家などに預けておき、子どもに手がかからなくなったころに中古車新規登録をして再び使用するといったことが可能になります。この手続きを一番よく行っているのが中古車販売点ですね。中古車販売点は車検が残っていない車両に税金がかからないよう、一時抹消登録を行い展示しているのです。

永久抹消登録

この制度が一番廃車という言葉のイメージに近いのではないでしょうか? 事故や自然災害で使用不可となった車両に行うのがこの永久抹消登録です。永久抹消登録を行うには、先に車両を解体しておく必要があるので、必然的にこの手続きを行った車両は2度と使用できなくなります。ちなみに、「博物館などの展示車両は永久抹消登録が必要」などの記述があるサイトを見かけたのですが、上記のように永久抹消登録を行うと車を解体する必要から、展示できなくなってしまいます。恐らく博物館に車両を展示する場合には一時抹消登録を行うか、車検を受けている車を一時的に展示しているかのいずれかでしょう。ナンバープレートは一時抹消登録であっても返却する必要があるので、ナンバーつきで展示されている車両は車検を受けている公道走行可能な車両が展示されているのだと思われます。

解体届出

一時抹消登録後、結局車を使用する機会がなく、車両を解体する場合に行うのが「解体届出」です。具体的にはリサイクル業者へ車両の解体を依頼し、報告を受けてから行う手続きになりますが、詳しい方法は次回で解説したいと思います。

■事故車 ・ 廃車 の 定義 についてまとめ

ここまでの話をまとめると、事故車は広い範囲で事故歴がある車、廃車は公道を走れる車として登録されていない車という意味になります。では、次回では実際に事故で車が使用できなくなった時に行う、手続きの具体的な方法について見ていきましょう。

(その2に続く)

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