「保育園落ちた日本死ね」をめぐる新語・流行語大賞の惨状

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「保育園落ちた日本死ね」をめぐる新語・流行語大賞の惨状
「保育園落ちた日本死ね」をめぐる新語・流行語大賞の惨状

『2016ユーキャン新語・流行語大賞』のトップテンが12月1日に発表された。大賞に選ばれた「神ってる」同様、トップテン入りしたワード「保育園落ちた日本死ね」が各地で物議を醸し、さらに同賞主催のユーキャンにも批判が殺到している。

■「保育園落ちた日本死ね」の入賞がユーキャン炎上に発展

 毎年12月に発表される流行語大賞。今年は、「トリプルスリー」が大賞に選ばれて物議を呼んだ昨年以上に問題になっている。

 とくに波紋を呼んだのが、トップテン入りを果たした「保育園落ちた日本死ね」。同ワードは、2月15日に日記投稿サイト『はてな匿名ダイアリー』に投稿された「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した記事が発端だ。「何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。」と始め、待機児童問題に対する政府等の取り組みを批判していた。

 1日には、タレントのつるの剛士(41)がTwitter上で「保育園落ちた日本死ね」のトップテン入りを批判。「しかもこんな汚い言葉に国会議員が満面の笑みで登壇、授与って。なんだか日本人としても親としても僕はとても悲しい気持ちになりました。きっともっと選ばれるべき言葉や、神ってる流行あったよね。」と意見。7万2千件以上のリツイートを記録し、多くの賛同の声があがった。

 同ワードにまつわる批判が高まり、一時はWikipediaで流行語大賞主催であるユーキャンのページが「株式会社ユーキャン死ね」と編集される事態に。また、同社や審査員の一人である歌人・俵万智(53)の公式Twitterには数々の批判コメントが寄せられ、炎上している。

 こうした事態を受け、同じく審査員であるやくみつる氏(57)が12月5日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)の電話取材に応じ、「保育園──」の入賞などについて「流行語を選ぶにあたって過激だとか穏当だとか、選ぶ時に何の尺度にもならない。むしろ、こういう言葉は流行語大賞でなければ拾い得ない」と反論した。

 批判を受けているのは「保育園──」のみではない。大賞に選ばれた広島カープ・緒方孝市監督(47)が発言した「神ってる」も「流行っていない流行語が選ばれた」「初めて聞いた」と批判の対象に。炎上したことで浸透するという皮肉な状況が生まれた。

 大賞に関してコメントしている芸能人も少なくない。12月4日に放送された情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、メインコメンテーターの松本人志(53)も「神ってる」の代わりに「ポケモンGO」が大賞で良かったのでは、と意見。ウーマンラッシュアワーの村本大輔(36)は「『ポケモンGO』を否定していたやくみつるさんが『ポケモンGO』をまた選んでいるってところがまた」などと非難していた。

「結局なぜ『神ってる』が大賞なのかイマイチ釈然とせず、総じて民意を得られていないのが問題。やく氏は連載中の4コマ漫画『やくみつるの小言・大言』でも『ポケモンGO』を批判していた身。流行語大賞の注目度の高さと裏腹に、審査員の平均年齢や嗜好に偏りを感じる。『審査が公平性を欠いている』と思われても不思議ではない」(報道関係者)

 過去に多くの注目ワードを表彰してきた流行語大賞。「ゲス不倫」や「保育園──」のワードをめぐって炎上騒ぎが多発した今年、同賞自体が炎上する様は何とも皮肉だ。

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
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