小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(10)財界の重鎮をモデルに勧誘 (2/2ページ)
が、小池は、環境省主催のイベントとしては物足りなさを感じた。
〈インパクトが足りない。人形劇とコンサートで、3000人の会場が埋まるだろうか?〉
小池は提案した。
「例えばファッションショーなんて、どう?」
モデルは、財界トップ。その理由は、「上司から変わらないと、部下は変えたくても変えられない」からだった。
小池は、いわば「日本の上司中の上司」とも言える、日本経団連会長でトヨタ自動車会長の奥田碩から口説くことにした。
年が明けた05年1月、小池は奥田に電話を入れた。
「6月5日の日曜日、名古屋なんですけど、ご予定は空いていらっしゃいますか?」
日程を確認しているのか、しばらく間を置いてから、奥田は答えた。
「ああ、大丈夫、空いてますよ」
小池は小躍りした。
〈やった! これでプロジェクトの8割は成功した〉
小池は切り出した。
「実は、ファッションショーのモデルを依頼したいのですが‥‥」
奥田は、どうやらゴルフの誘いと勘違いをしていたらしい。ファッションショーと聞いて、しばらく絶句した。
「えーッ、モデルですか‥‥」
しかし、小池がその趣旨を説明すると、奥田は快諾してくれた。
次のターゲットは、松下電器産業(現・パナソニック)の森下洋一会長とオリックスの宮内義彦会長であった。
2人は、小池がカイロ大学に留学するまでの間在籍していた関西学院大学の出身であった。
小池の要請に、2人とも快諾してくれた。
小池は確信していた。
〈この3人がOKした、快諾した、という強いお墨つきは、「そんな方々が出るのなら」という大きな安心感を生むに違いない〉
大下英治(作家):1944年、広島県生まれ。政治・経済・芸能と幅広いドキュメント小説をメインに執筆、テレビのコメンテーターとしても活躍中。政治家に関する書籍も数多く手がけており、最新刊は「挑戦 小池百合子伝」(河出書房新社)。