貧困層の子どもたちにパソコンを与えることが、教育問題解決となるのか? (2/3ページ)

FUTURUS

1台のパソコンを複数人が使えるようにすれば、効率の良い授業ができるはずだ。もちろん、そのためのプログラムもあらかじめ提供する。

ところが、そのプロジェクトは結果的に頓挫したという。その最大の理由は、子どもたちがゲームしかやらなくなったということだ。

これはインドに限らない。世界中どこでも、子どもにパソコンかタブレットを渡したらゲームやSNSばかりに時間を割く可能性が極めて高い。せっかく用意された学習プログラムなどはそっちのけだ。そういうことが起こるから、学校教師は自分の学校にIT機器が導入されることを嫌がる。


■ かつてあった「教育イノベーション」

だがこれは、考えてみれば「当たり前の話」である。

「人は誰しも向上心を持っているから、道具さえ与えてやればちゃんと勉強する」というのは苦労なく一流大学に進学した金持ちの発想だ。筆者のような平民などは、物心ついた時から文明の利器を何でもくだらない遊びにつなげるように思考が根付いている。

それに、「最先端テクノロジーによる教育イノベーション」は今に始まったことではない。日本ではテレビ朝日とテレビ東京は、本来ならば「テレビ受像機による教育革命の先駆け」になっているはずだった。この2局はそもそも、「家にいながら学校の授業が受けられる」というコンセプトの教育番組だけを放映する目的で創設された。

テレビ朝日(旧NET)の創設は1957年、テレビ東京(旧東京12チャンネル)のそれは1964年だ。つまりその頃の政治家や学者は「テレビは教育問題を劇的に改善してくれる」と考えていたわけで、だからこそこの2局には「教育番組しか放映しない」という条件付きで放送免許を与えたのだ。


■ 長嶋と馬場が粉砕した「教育革命」

だが、教育番組ばかりのテレビ局はすぐに赤字地獄にはまった。

60年代後半の日本の映像放送は、プロ野球の巨人戦とジャイアント馬場を筆頭にした日本プロレスが常時30%台の視聴率を稼いでいた。

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