小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(12)応援演説は小泉総理一択で (2/2ページ)
「こっちは結構です。ほかのところを回ってあげてください」
投票日の9月11日まで、あと1週間となった9月4日午後1時50分頃、小泉総理が、JR池袋駅東口に小池の応援に駆けつけた。
小泉総理は、詰めかけた約1万人もの前で、小池を褒めちぎった。
「さすが、環境は日本だけでなく世界の問題。世界で活躍しているのが小池さんです」
小泉総理は、小池に感謝した。
「今回、政治の“環境”をよくしようとして、わざわざ東京で立候補してくれた」
小泉は、さらに言った。
「小池さんは、愛嬌だけでなく、度胸もある」
小泉は、小池の右手を取り、上に掲げた。そのたび、路上から拍手が響いた。小池は、満面の笑みを浮かべて語った。
「はずみがつきました」
投開票日の9月11日、小池は10万9764票を獲得し、当選した。
その後、小池は、08年(平成20年)9月、総理大臣の座を目指し、女性として初めて自民党の総裁選挙に出馬した。総裁選は小池のほか、麻生太郎、与謝野馨、石原伸晃、石破茂の5人が出馬した。小池は、46票を獲得し、麻生、与謝野に次ぐ3位に食い込んだ。
16年(平成28年)7月31日、小池は、東京都知事に当選した。約291万票を獲得し、2位の増田寛也に100万票以上の差をつける圧勝であった。
運命は、興味深い。小池がもし小泉郵政選挙で東京10区に鞍替えしていなければ、東京都知事になる運命も待っていなかったであろう。小池は、絶えず運命を切り拓いてきた女性なのだ。
「突破の女王」小池のさらなる挑戦は続く‥‥。
大下英治(作家):1944年、広島県生まれ。政治・経済・芸能と幅広いドキュメント小説をメインに執筆、テレビのコメンテーターとしても活躍中。政治家に関する書籍も数多く手がけており、最新刊は「挑戦 小池百合子伝」(河出書房新社)。