後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(6)「高橋洋子・悪魔の手毬唄」 (2/2ページ)
高橋 実はロングで撮っている時の死体は、私が半日かけて作らされたデスマスクを着けた人形です。そうでないと、冷たい滝の中で凍え死んでしまいます。そしてアップになる場面は、東宝のスタジオに作ったセットなので、これは私です。水温は調整してあったけど、死体なので目を開けたまま、まばたきをしないように必死でした。
──あ、アップとロングで別々の撮影なんですね。さすが市川崑マジック。
高橋 ああいう田舎町で撮っていて、どういう映像になるんだろうと思っていたら、実に鮮やかな仕上がりでしたね。
──犯人のリカは、自分の娘を含む仲よし4人組の父親が、全て自分の夫であったことが許せなかった。そして間違って娘を殺してしまったことにショックを受け、底なし沼に沈んで最期を迎える。
高橋 北さんが演じた歌名雄は、恋人の私も、自分の母親も、水でのお別れで失ったことになりますね。悲しいけれど余韻の残るいい映画だったと思います。
──ラストに駅のホームで金田一耕助(石坂浩二)が、捜査に当たった磯川警部(若山富三郎)に対して「リカさんを愛してらしたんですね?」と聞く。声は汽笛にかき消され、答えない磯川警部に代わり「総社(そうじゃ)」という駅のプレートが肯定の返事となる‥‥。
高橋 若山さんもすごくよかったし、市川監督とも、もっとお仕事したかった。思い出の1本です。