後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(6)「高橋洋子・悪魔の手毬唄」 (1/2ページ)
原作・横溝正史、監督・市川崑、主演・石坂浩二と並べば、おどろおどろしさが立ちこめてくる。77年の配給収入10位(7億5000万円)を記録した「悪魔の手毬唄」(東宝)に、高橋洋子(63)は重要な役で出演していた。
──70年代の邦画界において、多くの巨匠たちに愛されました。
高橋 そうよ、デビュー作が斉藤耕一監督の「旅の重さ」(72年、松竹)で、さらに熊井啓監督の「サンダカン八番娼館 望郷」(74年、東宝)や、神代辰巳監督の「宵待草」(74年、日活)もあった。
──本作「悪魔の手毬唄」は、前年に公開された角川映画の第1作「犬神家の一族」に続く市川崑監督の金田一シリーズ。鬼首村に古くから伝わる手毬唄に見立て、同い年の娘たちが次々と殺されていきます。
高橋 私の事務所は、永島暎子さんがやった青池里子の役をやらせたがったんです。生まれた時から顔にあざを持ち、最後は自分の母親である青池リカ(岸恵子)に殺されるという悲しい役。ただ、その役だと永島さんのクールな目の感じが合ってたんでしょうね。
──そして決まったのは、リカの息子・歌名雄と恋仲でありながら、滝で水死体となる由良泰子の役。
高橋 市川監督と面接して、そしたら「最初に殺される役がいいかな」と言われたんですよ。あどけない顔だから、そのほうが合っていると。
──映画は、北公次とのキスシーンで幕開け。結構、長い時間でしたよね?
高橋 長かったです(笑)。北さんは当時、フォーリーブスの一員でトップアイドルだったから、キスシーン自体も初めてだったって。撮影の合間にいろいろ話をして、給料で何を買ったか聞いたら「競走馬を」って言ってましたよ。休みになると牧場に会いに行くって言ってる表情がキラキラしてましたね。
──舞台裏もいい雰囲気でありながら最初に殺され、滝つぼにじょうごを口にくわえたまま横になり、升から流れる水を受けながら浮かんでいます。