カジノ法案通過で問われた蓮舫代表と”ギャンブル依存症”の軽さ

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カジノ法案通過で問われた蓮舫代表と”ギャンブル依存症”の軽さ
カジノ法案通過で問われた蓮舫代表と”ギャンブル依存症”の軽さ

 カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備(注1)を政府に促す議員立法…通称<カジノ法案>が成立した。今後は規制基準や必要な諸対策を盛り込んだ実施法案の策定を政府に義務付け、政府は推進本部を設置する。

 やや唐突な感もある法案だけに議論百出は当然だったが、

「案件は今回カジノです。賭博です。それを解禁する。与党の議場を見てください。笑顔で投票、笑顔で握手(している)」

 参議院を通過した際、こう批判したのは民進党の蓮舫代表(49)。笑顔を揶揄しただけあって、しかめっ面で吐き捨てて見せた。加えて党首討論では「(安倍晋三首相・62は)答えない力、逃げる力、ごまかす力、まさに神ってます」と、お仲間たちが選んだ流行語大賞に引っ掛けて悦に入っていたから、さあ大変。

「二重国籍疑惑に答えず、逃げ、ごまかしているお前が言うな」

 と非難轟々(注2)。

 さらには2011年、蓮舫氏が民主党時代に<カジノ解禁>を成長戦略として掲げていたことも発覚。

「言っていることが真逆じゃないか。またブーメランが戻ってきた」

 彼女が自分を棚に上げ、偉そうに他人を批判するのは平常運転。投げた言葉がブーメランのように戻ってきて自分に突き刺さるのも、日常茶飯事だ。

 こうした蓮舫代表の<日本人とは思えない>感性、厚顔無恥さについては、「またか」という感想しかない。が、今回のカジノ法案を巡る議論で、もう一つ気になったのは「<ギャンブル依存症>対策が不充分」という声だ。

■ギャンブル依存症って誰のせい?

 その前に、これも多かったのが「カジノ批判派はなぜパチンコを批判しない?」という指摘だ。なかば公然と換金されているパチンコは紛れもなくギャンブルであり、カジノの是非を問うなら、パチンコの是非も問うのは当然と思う。

 しかしカジノにしろパチンコにしろ、議論すべきは経済面や地域の治安面でのメリットやデメリット。さらにパチンコでいえば、売上げ(注3)が北朝鮮に流れている安全保障面が問題なのではないか? 

 ところが野党にしろマスコミにしろ、カジノ法案への批判がほぼ<ギャンブル依存症>対策云々で占められた。厚生労働省による2年前の調査から日本のギャンブル依存症疑い536万人(成人人口の4.8%)というデータも引っ張り出され、悲惨さが強調された。

「その厚労省も依存症に関する見解では、<医学的定義では、‟いわゆるギャンブル依存症“ は依存症には含まれておりません>(注4)と言う。ギャンブルへの病的執着は、ずっと本人の意志薄弱や性格のせいとされてきたが、近年になって精神疾患として扱おうという動きが活発化。しかし医学的には、依存症の前後に<疑い><いわゆる>が取れていない状態」(カウンセラー)

 自分のせいなのか、環境に起因するのか。まだ定義に諸説ある中で、殊更に<いわゆるギャンブル依存症>の悲惨さを強調してみせるのは、煽情的だ。

 カジノやパチンコの是非を問うのならば、蓮舫的な軽薄な考え(注5)や煽り報道から離れて、成功するか・失敗するか、存在すべきか・消え去るべきか。もっと冷静にベットしないと──いや、議論しないと。

(注1) 通称カジノ法…カジノ、国際会議場、宿泊施設など統合型リゾートの整備を推進する基本法。
(注2) 非難轟々…主にネットニュース、SNSなどで。
(注3) 日韓通貨スワップ…通貨危機の際に、主に米㌦を融通しあう二国間条約。しかし日本には不要なため、ウォン救済(保証)の側面が強い。
(注4) パチンコの売上げ…米国のカジノより巨額。
(注5) 軽薄な考え…「国家の品格を落とす」的な発言もあったが、カジノのある国に失礼だろう。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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